高知市が3月議会に提出する20年度補正予算で、同市が直接「日々雇用」(※1)している高知競輪の従事員に対しての実質的な退職金である離職餞別金を一括して前払いするために2億3800万円を増額する予算を計上しています。
高知市公営企業事業事務所によると支払い総額は約2億6000万円。対象者193人、勤務年数によって差があるものの支給される餞別金の平均額は135万円、最高額は380万円程度。
餞別金を一括支給する理由について市側は「22年度からの競輪事業の包括委託を念頭において離職餞別金制度を廃止するため」としていますが、実際には従事員が離職するわけではなく、来年度もこれまでと同様に勤務するという不可解さ。さらに22年度に予定されている包括委託後は、従前通りに市が競輪事業で直雇いを続けるか、委託された民間企業に雇用されるかも未定のままであり、明確な方向性が決まらないまま、餞別金を先払いするために2億3000万円を投入して一気に「清算」しようとしているのが実態です。1日、上田隆司・市企画財政部長は「組合(※2)との合意ができたのか」との問いに「交渉中」と回答しました。
※1 過去に高知職業安定所から「退職金制度」がある雇用形態で「日々雇用」とは言い難いとして、日雇い雇用保険を適用する事業所として認められないという指導を受けた経過があるが、日雇い健康保険は今日も高知競輪・高知競馬で続けられており、「退職金制度」のある「日雇い」という矛盾した雇用形態になっている。
※2 高知競輪競馬労組。部落解放同盟高知市協の影響力が濃い。(2009年3月3日 高知民報) |