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PFI契約解除が日程にのぼってきた高知医療センター(上)、
1月15日の病院議会の勉強会(下) |
経営が深刻化している高知医療センターの破綻を回避するため高知県・高知市病院企業団(山崎隆章企業長)が、PFI事業を委託している特別目的会社(SPC)「高知医療ピーエフアイ(親会社はオリックス)」に要請していた委託料削減案を同社が完全に拒否している(昨年12月9日付け回答)ことを受けて、山崎企業長は1月15日、「このままではPFI継続は困難」と述べるなど、同センターのPFI契約解除に向けた動きが現実化しています。また尾崎正直県知事、岡崎誠也高知市長は1月20日にオリックス社を訪問し、西名弘明副社長と面談する予定であることが明らかになりました。
これらが明らかにされたのは1月15日午前に開かれた病院組合議会議員の「勉強会」。「勉強会」では昨年12月9日に同ピーエフアイ社から返答のあった文書に対する企業団としての反論内容が説明されました。
「PFI事業を選択した理由は、コスト削減ができるからであり、病院経営の効率化に寄与できることを条件に委託業者を選定している。今回の委託料削減要請は、その効果が発揮されていないからであり、机上ではなく実際の運営の中でVFM(バリューフォーマネー、@同じ水準のサービスをより低いコストで提供する。A同じコストで、より質の高いサービスを提供する)を発生させるかが重要だ。その努力義務がSPCにはある。これまでもVMFが発生していないし、今後も発生する見込みがないという状況の中で、SPCが所管する事業全体での費用圧縮は不可欠という判断でこれまで協議をしてきた。一方的な解釈にもとづく企業団側の削減要求というSPCの主張には全面的に反論していく」(村岡晃・同企業団事務局次長)
山崎企業長は1月20日に知事・高知市長がオリックス社を訪問することについて、「(12月9日付け回答に)反論するようなものではなく、今一度なんとかならないか、経営破綻させるわけにはいかない、なんとか協力してほしいということ。この回答はもう変らないかもしれないが、構成団体として行くという判断を(知事・市長に)してもらっている」と発言しました。
出席議員からは、「PFI契約の解除の期日を決めて通告する段階にきている」(米田稔県議)、「SPCにパートナーとしての意識が全くない。協議の余地はない」(岡村康良・高知市議)、「これが彼らの本性。一方的な契約そのものが問題。契約書には契約の早期終了の項目もある。SPCに経営ノウハウが全くなく最初から間違っていた。SPCへの支払い停止など強行手段にでるべき」(元木益樹県議)、「PFIが税金を吸いあげていく体質であることがはっきりした。PFI自体がダメという世論をつくっていかなければならない」(岡田泰司・高知市議)など厳しい指摘が相次ぎました。
山崎企業長は「このままではPFI事業を続けていくことが困難であることは明らか。どうすれば医療に支障のない形で決着をつけれるか検討している」と答弁。企業団としても契約解除を視野に入れた検討をすすめていることを示唆しました。(2009年1月15日 高知民報) |