2008年5月21日

米海軍イージス艦「オカーン」が宿毛湾港に入港 抗議集会デモに180人

 デモ隊が抗議のシュプレヒコール   接岸する「オカーン」 この日はうねりが高かった
寄港セレモニーの間も銃を持ち警戒 イージス艦の心臓 ミサイルランチャーとレーダー部
艦の外で立ったまま会見をするドラガン艦長 「オカーン」を遠巻きに見物する市民
アメリカ海軍のイージス艦「オカーン」が宿毛湾港池島岸壁に5月21日午前7時30分頃入港しました。同港岸壁近くの公園では入港に反対する市民ら180人が抗議集会を開き、港内をデモ行進しました。

「オカーン」は岸壁の使用願いが出されていた8時より30分ほど早く接岸しました。

岸壁では日本共産党、社会民主党、民主党、中村地区労、幡多教組、宿毛市の平和団体などで構成する実行委員会が抗議集会とデモ。「宿毛湾を米海軍の基地にするな」とシュプレヒコールをあげました。

「オカーン」接岸直後に岸壁で行われた歓迎セレモニーでは中西清二・宿毛市長があいさつ。続いて記者会見したトム・ドラガン艦長は「現在は西太平洋で任務にあたっている。昨年1月から8月の7カ月間はアフガンの『不朽の自由作戦』に参加していた。空母ニミッツやキティホーク打撃群で行動したことがあるが、現在は独自に行動している」と述べました。また艦長が「『オカーン』は『こんごう』(自衛艦イージス艦)と似ている」と発言したり、艦内案内の際に作戦司令室の担当士官が「テポドンを撃ち落とせる能力がある」と話すなどSM3ミサイル(ミサイル防衛システムに組みこまれている新型ミサイル)の搭載を示唆しました。

今回、米軍側の報道対応は2年前の「ラッセル」入港時とは大きく違っていました。艦内見学は「ラッセル」の時の約半分の時間で、艦の前半部しか見学をさせず、対応した艦の女性広報官は「個別の兵器のことには答えられない」。前回はハプーンやトマホークミサイル、イージスレーダーシステムなどについて突っ込んだ説明をしていました。また艦長会見は「ラッセル」の時は艦長室で行いましたが、今回は岸壁に立ったままで「手短にお願いします」。米海軍の宿毛湾港寄港を既得権化している意識が、見え透く対応でした。

前回からは減ったとはいえ岸壁には「オカーン」を見物に訪れる市民の姿も。宿毛市内から娘と来た50代の女性は「滅多にないことなので見物にきた。核兵器は積んでいないというニュースを見たし、2年前にアメリカ兵を市内で見かけたが全然怖くなかったので、宿毛に来るのは悪いことではないと思う。宿毛の商売は大変。少しでも経済効果があると思う」と話していました。

現地では警備にあたっていた高知県警察機動隊が、オカーンに抗議のシュプレヒコールをあげようとするデモ隊に対して「立ち止まるな」と行動を妨害したり、前日夕方から岸壁付近の公園にいる市民に氏名や住所、生年月日を執拗に尋問するなど過剰な警備が目立ちました。(2008年5月21日 高知民報)

お断り 「オカーン」の表記について「オケイン」としている報道機関があり、米語の発音では「オケイン」に近く聞こえますが、一方で米海軍が公式に配布した資料には「オカーン」と書かれているなど、どちらを使うのかは各社に任されている状況のため、高知民報では米海軍資料に基づき、これまでどおり「オカーン」としています。