高齢者差別に怒り沸騰 はり灸補助75歳以上はダメ 高知市が独自施策を便乗切り捨て 後期高齢者医療制度
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「あかるいまち」2008年3月号 |
75歳以上の高齢者を国民健康保険などから強制的に排除し、差別的に負担を重くして医療費を「節約」する「後期高齢者医療制度」への批判が国民的に高まっていますが、高知市では国保加入時(74歳まで)は受けることができた高齢者施策施策が、「後期」に移行したとたんに打ち切られる事態が発生しており、高齢者の負担に追い討ちをかけています。
高知市の75歳以上の高齢者が「後期」に移行させられることにより発生する高知市の独自施策打ち切りは以下。
@保険料独自減免の廃止 高知市の国保では75歳以上の高齢者約28000人のうち約16000人(59%)が、市独自の保険料減免を受けていたにもかかわらず、「後期」への移行で独自減免が打ち切られる。
A針灸・マッサージ助成の廃止 高知市の国保では1回600円(年間15回まで)の補助券を支給していたが、「後期」への移行にともない廃止。
B葬祭費の切り下げ 死去した際に支給される葬祭費が74歳までの国保であれば5万円だが、「後期」になると3万円に下がる。
いずれも、年齢が高くなるほど必要な施策であるにもかかわらず、年齢が75歳以上であることだけを理由に施策が打ち切られる、非常に差別的で非人間的な仕組みになっています。
■「国保とは違う制度なので違いは出る」
4月24日、「平和と生活を守る高知市民共闘会議」が高知市健康福祉部と独自減免打ち切りについて交渉を持ちました。この場で明神公平・健康福祉部長は「高知市だけ保険料が安くなっては広域連合の公平性が損なわれる。独自減免継続には1億6000万円の一般財源が必要となり困難」、「鍼灸治療の補助予算は約300万円、葬祭費の差額を市費で埋めるとすれば3200万円の一般財源が必要で現状では実施は困難だ。国保とは違う制度なので違いは出る」などと回答しました。
参加者からは「今まであった施策を打ち切ることは、国の年齢による差別医療を高知市が手助けすることだ」、「制度が変ったからといって、その負担を75歳以上の収入の少ない高齢者にそのまま転嫁していいのか」、「針灸補助の打ち切りは『後期』への便乗だ」、「南国市では鍼灸の助成が継続している。治療を必要とする高齢者の補助をやめるのは理屈が通らない。他市にできて高知市でできないのは考え方に問題があるのではないか」という批判が相次ぎました。(2008年5月4日 高知民報) |