2008年8月31日

「高知の農業守れ!」 農民3000人が決起 農業危機突破高知県生産者大会
「亡国農政」への批判を書いたムシロ旗をもってデモ行進
原油・肥料・飼料などが軒並み高騰し、経営が極めて困難な状況に陥っている高知県内の農業関係者3000人が集まり、国や県に早急な支援策を求める「農業危機突破県生産者大会」が8月23日、高知市の県民体育館を会場に開かれました。主催は県下の農協関係団体でつくるJAグループ高知、県農業会議。

大会では@省エネ施設などの導入への支援、A石油の燃焼によらず電力で加熱するヒートポンプの実験推進、B国レベルでの重油高騰によるコスト補填、C生産コストの高騰を補填する経営安定制度、D石油・穀物への投機資金の世界的監視体制の構築などを、国・県に要請が行われました。

決意表明に登壇したJA高知女性部に所属する女性は「金儲けをしたいわけではない。このまま農業が続けられることが夢。今の状況ではあと何年農業が続けられるか分からない。食料は人が生きる糧。農業はそれを生み出す産業だ」と農業が持続的に発展し維持されていくことの重要性を訴えました。

大会には尾崎正直県知事、西森潮三議会議長、高野光二郎県議会産経委委員長、谷本敏明県議などの県関係者、高知県選出の国会議員らが来賓として出席しました。

あいさつに立った尾崎知事は、「多く農業者から悲鳴のような声をもらっている。今こそ国や県という公が出動すべき時。県としてもできる限りのことをやる。いまのままではいけないという思いだ。国にも実効性のある対策を講じるよう強く求めていく」と発言しました。

大会終了後、参加者は県民体育館からJR高知駅前までデモ行進。「亡国農政見直せ」「つぶすな園芸農家」と書かれたムシロ旗を持ち、「高知の農業を守れ」とシュプレヒコールをあげ市民に訴えました。(2008年8月31日 高知民報)