2008年8月24日

どうして急ぐ学校給食民間委託 7割の児童に影響 高知市教委
潮江東小の調理室
高知市教育委員会は財政難を最大の理由に来年度から導入を計画している学校給食調理業務の民間委託について、吉川明男・市教育長が唯一の試行対象校である潮江東小学校保護者への説明を終えて「一定の理解を得られた」との認識を示し、9月11日から始まる市議会定例会に民間委託にむけた議案の提案準備をすすめています。

しかし、民間委託計画は潮江東小1校にとどまるものではなく、市内の小学校の約半数にあたる22校が対象になるもの(※導入対象となる学校栄養職員が現在配置されている小学校)。将来は市内小学生の約7割が民間委託による給食を食べることになる計画であるにもかかわらず、潮江東小の保護者だけへの説明で、あとはエスカレーター式に事をすすめていくことは許されません。

また潮江東小の保護者から「一定の理解を得た」という吉川教育長の認識は(8月12、13日の市議会委員会での答弁)、「委託ありき」の恣意的なものと言われてもしかたのないものです。同小の説明会への出席者は全校生徒の約15%。市教委が参加を呼びかけた他自治体の見学会への参加も極めて少数(岡山県が5人、日高村が9人)でした。市教委が同小給食を民間委託する計画を保護者に初めて示したのは6月であり、8月上旬にかけて5回の説明会を開きましたが、出席者はごくわずか。不安を訴える保護者は少なくなく、多くの保護者に情報が伝わっているとは到底いえないのが実態であり、市教委自身が「参加者が少ないのは非常に残念」と繰り返しています。

そうであれば、もっと時間をかけて議論していくべきことは当然ですが、現実には来年度からの委託実施に向けたタイムリミットである9月市議会での議決にむけて「見切り発車」の構え。全市的に極めて重大な問題であるにもかかわらず、このような拙速ぶりは、将来に禍根を残すものでしかありません。(2008年8月24日高知民報)
 将来民間委託の対象となる学校

旭、潮江東、昭和、秦、初月、長浜、高須、一宮、朝倉、鴨田、介良、大津、朝倉第二、神田、泉野、横浜新町、介良潮見台、横内、鏡、春野東、春野西 加えて城東中、介良中、大津中、鏡中、土佐山中、土佐山幼稚園


現在学校栄養職員が置かれている小学校、将来的に変動はある