2008年7月20日

学テ結果「市町村別公表とは一言も言ってない」 中沢県教育長 高新記事に反論
7月11日の県議会本会議で中沢卓史・高知県教育長は「全国学力学習状況調査」や「到達度把握検査」(県内)の結果公表が、どのようなかたちで可能であるかを検討すると述べました。

この答弁は中西哲議員(自民)の「県教委は到達度把握検査を11年間もやりながら、学力向上に結び付けられなかったのは、調査結果が学校ごとに公表されず、教師と保護者が危機意識を共有できなかったことが大きな原因。結果を学校ごとに公表すべきだ」との質問に答えたもの。

中沢教育長の答弁は以下。「到達度把握検査の結果公表は、説明が不足しており、結果として学校と保護者との危機感の共有がきていなかった。私としては全国学力学習状況調査の結果は本来は、保護者に説明責任を果たすことが望ましいと考えている。一方、文部科学省は過度な競争や序列化を防ぐため、調査の実施要領で公開に制約を設けている。調査結果の公開について、どの情報をどこまで公開が可能か、妥当かを検討したい」

7月12日付「高知新聞」が、この発言について「全国学力学習調査の結果を市町村別に公表することを検討すると述べた」と報じたことに対し、中沢教育長は13日に高知追手前高校で開かれた県PTA研究大会のあいさつの中で「市町村別に結果を公表するとは一言も言っていない。この調査は市町村別や学校ごとの公表はしないという前提で取り組んでいる。しかし県教委が取り組んだ結果を保護者に説明責任はできるだけ果たすべきと私は考えており、このようなリスクを勘案し、できるだけ保護者に説明責任を果たすにはどうしたらよいかを検討したいと述べた。私も新聞を読んでびっくりした」と述べました。

中沢教育長は12日、高知民報の取材に対し、「私個人としては情報はできるだけ保護者に出していくべきという信念を持っているので、何ができるか相談してみたいと言ったが、市町村別に公表するとは言っていない」と回答しています。

中沢教育長の発言は、全国学力学習状況調査結果の市町村別公表については、やりたいが国の縛りがあるからできないというものであり、県独自の到達度把握調査なら県内の学校別、市町村別の結果公表であれば条件を整えればできるということにもつながりかねず、学校のランク付けや過度な競争激化への流れを加速させることが懸念されます。(2008年7月20日 高知民報)