2008年7月13日

自衛隊第50普通科連隊 高知演習場 300メートル射撃場、爆破訓練場の位置が判明
300メートル射撃場、爆破訓練場の計画位置が判明した。近くに人家が多くある(香南市香我美町)
香南市香我美町上分に配備される陸上自衛隊第50普通科連隊(※1)の新高知駐屯地(平成21年度末完成)に隣接した山林に設置される高知演習場内の射程300メートルの実弾射撃訓練場と爆破訓練場の位置がこのほど判明しました。

高知演習場は「平素から軽易に小部隊単位で訓練を実施できる演習場および基本射場を駐屯地近傍に開設し、訓練基盤を確立」(防衛省の住民説明会資料)するため設置され、四国内に不足する実弾射撃のできる演習場として、日常的に昼夜を分かたぬ訓練が予想されます。

基本射場(射撃場)は新駐屯地の東に隣接した谷を造成して建設。南北方向に距離300メートル、覆道と呼ばれる屋根付の長大な射撃場で、香南市企画課自衛隊立地推進係の西内孝一係長は「訓練の詳しい内容は分からないが、屋根がついているため、騒音などほとんど影響はないと聞いている」。

しかし他県では長期間の実弾射撃による水質汚染が問題になった例もあり、山の斜面を大量に削って大きな施設を作ることによる河川や農業用水への影響を懸念する声も地元にはあります。

爆破訓練場の位置は直近の人家から200メートルほどの距離。迫撃砲(縮射弾と呼ばれる訓練用砲弾)射撃や手榴弾を投げて爆発させる訓練を実施します。住民生活に大きな影響が予想されるのが、ヘリコプターを使った搭乗降下訓練(ヘリボン訓練)。同連隊にはヘリコプターは配備されないことから、訓練時には徳島分屯地の飛行隊からヘリが出動して実施されますが、演習場は民家の裏山であり付近には中学校や保育所も。夜間射撃、爆破訓練、ヘリ飛行により住民生活への影響が懸念されますが、5月21日に開かれた住民説明会で防衛省側は、具体的な訓練の内容(※2)や頻度を明らかにせず、住民に訓練実態が正しく理解されているとは言いがたい状況があります。

今後は自衛隊と香南市が締結する演習場使用協定に、訓練時間や演習内容、騒音レベル、排水などの課題をきちんと盛り込んでいくことが大切になってきます。

※1 定員約700人。軽装甲機動車、高機動車、120ミリ迫撃砲、81ミリ迫撃砲などを装備。現在の駐屯地は善通寺市。

※2 現在自衛隊側が明らかにしている高知演習場で予定されている訓練内容は以下。小火器射撃、迫撃砲縮射弾射撃、基本爆破訓練(手榴弾投てき)、基本戦闘訓練、歩哨・外哨訓練、観測訓練、通信訓練、築城訓練、レンジャー訓練、斥候訓練、オートバイ不整地訓練、ヘリボン訓練、宿営地(2008年7月13日 高知民報)