2008年7月6日

「公正な多目的広場の管理を」 共産党・下元博司議員が質問 6月高知市議会
高知市教委が購入したラグビー用ゴールポスト(高知東部総合運動場多目的広場
6月23日に開かれた高知市議会6月定例会本会議で下元博司議員(日本共産党)は、高知中央高校ラグビー部が練習場にしている高知市東部総合運動場多目的広場の芝生が荒れている問題について質問しました。質問内容と執行部答弁は以下。

下元議員 グラウンド・ゴルフやターゲットバード・ゴルフ愛好者から、中央高校ラグビー部の練習により芝が傷み、グラウンドがデコボコになっているという苦情が寄せられた。当初利用についての看板には野球、サッカー、ラグビーの利用はできないと表示されていたが今はなくなっている。中央高校ラグビー部に使用させる経過や協議内容、許可条件を聞く。

吉川明男教育長 多目的広場は無料で市民に利用してもらっている。多くの競技団体が定期的に利用したいという意向があり、「スポーツ振興事業団」が調整して利用させている。昨年3月、中央高校理事長やラグビー協会役員から、ラグビー競技の普及発展のために練習・試合場として開放してほしいとの要望があった。

同年5月に一部庁議を開き検討し、ラグビーの普及発展のために開放することにした。開放にあたり広場を定期的に利用している他団体にも了解を得ている。使用にあたっては書面で、練習試合を含め試合は困難、芝の養生のためスパイクを使用しての練習は週2回まで、地面がぬかるんでいる場合は使用禁止、スパイクを使用する場合は同一場所での練習を控える、練習後のグラウンド整備や後片付けの要請をした上で使用を認めた経過がある。

下元議員 使用の有料化は検討しなかったのか。ラグビー用のゴールポストを市が購入しているが、一高校のクラブのために購入する必要があるのか。練習試合は許可しないとなっているが、昨年7月12日、3月にも試合をしている。許可の理由を聞く。スパイクは週2回という条件を提示しているにもかかわらず、守られていないと聞いている。許可条件が守られていなければ、守らさなければいけない。どうしても守らないのであれば、許可取り消しも考えなければいけない。クラブの練習は学校の責任で練習場を確保するのが当然だが、教育委員会は中央高校に話をしているのか。

吉川教育長 現在使用している各種競技団体と同レベルで日程調整をする原則なので無料扱いにしている。ゴールポストは中央高校から寄付の申し出があったが、広場を中央高校に専有させるものではなく、また練習には本市の中高生も参加し、若年ラグビーの競技力を高めるため、固定式になると専有につながるので移動式のものを高知市が購入した。費用は47万2500円。

練習試合は、予定していた市外の施設使用に支障が出たため、安全補助員をつけるので多目的広場を使わせてほしいとの申し入れがあり、特に問題がなかったことから認めた。同高校には書面で使用時の留意事項を示しているが、もともと多目的広場は市民が自由に使用できる許可行為を伴わない施設で、指定管理者のスポーツ振興事業団において常に利用状況をチェックし、支障がある場合には監督に直接要請する場合もある。

下元議員 1月の使用は21日、2月は26日、3月は26日で、そのうち3日間は試合をやっている。特定の高校の練習場とられても仕方がない。地元や職員からも「こんなやり方はないのではないか」、「納得できる説明をすべき。ひどすぎる」という声も聞かれる。市民が納得できる公の施設の運用のあり方を考えなければいけない。 
高知民報社が6月23日、24日に下元議員の質問に対するコメントを高知中央高校に求めたところ近森正久理事長は「高知市教委が示したという条件をこちらは認めていない。下元議員は誤った情報で本校の名誉を毀損したので、法的手段の準備をしている。また議会での下元議員の3年間のすべての発言について開示請求をかけている」などと述べました。

24日には同様のやり取りが電話で下元議員と近森理事長との間であったことから、26日に開かれた高知市議会各派代表者会議の席上、江口善子議員(共産)が経過と「私はこの電話を脅迫と感じている」という下元議員の声明文を説明。一議員の問題としてではなく、議会全体として対応すべきであると提起しました。(2008年7月6日 高知民報)