2008年6月29日

学校耐震化県単補助 「国が上げたから、県はやめるという単純なものではない」  中澤県教育長
市町村が実施する小中学校の耐震工事への高知県単独の補助制度「公立小中学校耐震化促進事業補助金」を、国の制度がかさ上げされたことを契機に県は廃止すべきという議論が県庁内である中、中澤卓史・県教育長は「国が引き上げたので、県はやめるという単純なものではない」とコメントしました。6月26日に取材に応えたもの。

中澤教育長は「まだ詳細の分からない部分もあり判断はできていないが、地震は必ずくる。そして日本には対震技術があるにもかかわらず、『金がない』ということで、被害が出たら、行政の責任が問われる」。6月6日の「やめるとも、やめないともいえない」というコメントの時点からは、県単補助存続へ力点がおかれたニュアンスになっています。

これを裏付けるように、県教委事務局関係者からも「県教委としては存続させたいが、財政サイドから切るように言われている」という発言も聞かれるなど、この制度の存続をめぐり、県庁内で攻防があることが伺えます。

学校の耐震化を早急にすすめなければならないという国民的な課題がある中で、県教委が現存する補助制度を廃止するなどという逆行した行動をとれば県民的な批判は免れません。6月26日の高知市議会では全会一致で同制度の継続を求める意見書が採択されています。

また中澤教育長は、国補助制度の優遇措置が3年間になっていることに対して「3年では無理。診断して工事をしなければならないが、工事は夏休みしかできない。施行業者も足りない。法の延長を求めていくことになると思う」と発言しました。(6月29日 高知民報)