2008年5月8日

米イージス艦 宿毛港「第一志望」 高知新港打診なし 軍事利用恒常化の恐れ
米海軍イージス艦「ラッセル」(2006年5月24日宿毛港) 波浪でこのロープが切断した
アメリカ海軍のイージス艦「オカーン」が5月21日から26日まで宿毛市の宿毛湾港池島岸壁への入港を予定している問題で、2006年の同イージス艦「ラッセル」入港時にはあった高知新港への入港の可否を問う打診がなかったことが分かりました。

2006年5月24日に入港した「ラッセル」の時には、当初アメリカ側は高知新港への入港を希望していましたが、岸壁の予約が詰まっていて使用が不可能だったため、やむなく宿毛湾港を選んだ経過がありました。

この時、県は同港池島岸壁は防波堤の工事が未整備で(170メートルだけ)あり港の静穏度に課題があること(波がたちやすい)、岸壁部分の水深はマイナス13メートルありイージス艦着岸に支障はないものの付近にマイナス10メートルの浅い岩場があることから使用に懸念があることを指摘した経過があります。その指摘を裏付けるように「ラッセル」は係留中に東シナ海を通過した低気圧による波浪で係留ロープが切断するトラブルに見舞われ、2006年5月27日に急遽予定を繰り上げて離岸しました。

県港湾課によると、前回あった高知新港の利用について今回は打診はありませんでした。宿毛港を利用するにあたって前回県が指摘した懸念が解消されるような条件の変化については「堤防も水深も条件は2年前と同じで特に変っていない」という回答がありました。前回はしぶしぶ使用した宿毛港が、今回は「第1志望」に。米軍側が高知県西部を恒常的に軍事利用するターゲットにしている可能性も考えられます。(2008年5月8日 高知民報)