2008年4月9日

施設OK・スタッフいるのにどうして入会できないの? 高知市教委の機械的対応に矛盾 介良潮見台小児童クラブ

介良潮見台小「かぜのこ」児童クラブ
待機児童が毎年大量に発生している高知市の学童保育の現場で、高知市教育委員会の機械的な入会決定システムのため、介良潮見台小学校で受け入れ条件が十分あるにもかかわらず新1年生が入会できない事例が発生し、保護者から強い批判が出ています。

同小には昨年まで、「かぜのこ」(定員60人)、「めじろ」(定員60人)の2つの児童クラブが設置されていました。両クラブとも使用している部屋は清潔で充実した環境にありました。

しかし、2008年度の入会募集の締切日(1月31日時点)で、募集希望者が76人だったため、「めじろ」は閉鎖され、分室(定員19)に降格することに。

ところが2月に入ってから1年生の入会希望が相次ぎ、「めじろ」を維持するだけの人数が揃ったにもかかわらず、1月31日の締め切り時点の人数を絶対視する現行基準にのっとり分室のままでおかれ、4月8日時点では7人の待機者が出ています。

分室は10人から19人までの定員で、2人の指導員(臨時職員)が配置されるもので、「めじろ」と同じ部屋を使い、指導員の配置数も同じ。実態的には正規クラブの時と大きな差がないにもかかわらず、定員が19人に絞られることになります。

正規クラブの「めじろ」が維持されていれば定員は60人で、希望者は全員入会できたことから、子どもが入会できなかった母親は「現に困っている入会希望者がいて、受け入れる条件があるにもかかわらず、申し込みが1月末を1日でもすぎたら、だめというのは理解できない。今ある施設は、有効に活用すべきではないか」という声が出ています。青少年課も「入会できなかった保護者の方に納得してくれとは非常に言いにくい状態になっている」と言わざるを得ない矛盾の大きさですが、「ひとつ特例を認めると、全部認めなければならなくなる、公平性の問題がありなかなか難しい」。高知市教委が現在とっている待機児童が出ることを前提にした制度を、待機児童は出さない、ゼロをめざすという子どもを中心に据えた方針に転換させることが重要になっています。

高知市全体では4月1日時点で60人の待機児童が発生。旭東小からも待機児童を出さないための柔軟対応を求める声が強く出されるなど、従前の市教委の機械的なやり方では、市民の納得が得られない状況になっています。吉川明男・高知市教育長は「市長にも話は上げている。子ども中心に考えて、何かできることはないか、柔軟に対応することはできないかを、県外の事例を調査して検討しているところ。もう少し時間がほしい」とコメントしました。(2008年4月9日 高知民報)