2006年3月3日、旧春野町の国道で仁淀川町のスクールバスと県警の白バイが衝突し、白バイ隊員が死亡した交通事故で、高知地裁、高松高裁で業務上過失致死罪による実刑判決を受けている元バス運転手の片岡晴彦さんの無罪をめざす支援集会が1月24日、高知市の県民文化ホール・グリーンで開かれ200人が集まりました。
裁判で争点となっているのは、停車中のバスに白バイが突っ込んだのか、バスが急に飛び出して白バイにぶつけたのか。判決ではバスが飛び出したと認定し、その裏付けとして路面に残った長さ1メートル以上の「スリップ痕」が重要な物証とされています。しかしバスに乗っていた20人以上の生徒・教師は誰一人1メートルものスリップ痕がつくような強い衝撃を感じておらず、弁護側が独自に実施した実証実験(裁判所が拒否したため)でも、事故現場の状況では1メートルものスリップ痕は到底付かないという結果がでています。
集会では交通事故鑑定人の石川和夫氏が、写真を使いながら、有罪の証拠とされたスリップ痕に「トレッド(溝)」がないなど、多くの不自然さを指摘し、誰かが描いた「絵」としか考えられないと、スリップ痕がねつ造である可能性を指摘しました。
続いて片岡さんの弁護をしている梶原守光弁護士が講演。梶原弁護士は「この事件の結論は、白バイが停っているバスに衝突した事故を、逆にバスが白バイに衝突した事故にすりかえるために警察関係者がスリップ痕を偽造した冤罪事件であると確信を持っている」と述べ、事故当時の県警の捜査の異常性、警察の主張だけを鵜呑みにして実証実験を全く行わない裁判所の姿勢を批判。「最高裁の扉は重いが、この事件は矛盾があまりにもひどく、私は一定の期待を持っている。無実の罪で片岡さんを罰してはならない」と訴えました。
集会の最後に片岡さんが「これからもまっすぐ、真実だけを述べていきます」とあいさつしました。(2008年2月3日高知民報) |