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用地買収の対象となったクレーン会社の敷地 |
1月10日、県は橋本大二郎・前県知事が書いた「働きかけ記録票」を公開しました。この記録票には元木益樹・自民党県議が昨年9月20日、高知市布師田の国道195号(通称「あけぼの街道」)道路改築工事で用地買収の対象になったクレーン会社への補償費の上積みを要求していたことが記載されていました。
公開された記録票によると元木県議は平成19年9月20日、県庁知事室で10分間にわたり橋本前知事と面談。用地の一部が買収対象になった若松クレーン株式会社の車両出入り口の移動にともなう建物移転のための補償費用上積みを要求したとされています。
若松クレーン側は当初、県が示した補償額の範囲の建物移転では大型車両の出入りに支障があるとして、約1億3千万円の費用がかかる大規模な建物移転を求めていましたが、県は「働きかけに関わらず県の基準で交渉する」との判断で臨み、昨年11月に若松クレーンとの間で、県側が提示した約3000万円の補償費で合意しています。
橋本前知事は、昨年県議会との「関係修復」にむけて自民党県議団との接触をはかったところ「次々といろんなことを持ち込まれ、県議が具体的に要求してくる」と県議から直接働きかけを受けていたことを明らかにしていました。
元木県議は取材に対して「公正な土地買収と県民の安全のために県OBと一緒に知事に陳情したことはあるが、金額をいくらにせよなどとは言っていない。なぜこれが働きかけになるのか分からない。私は働きかけをするような人間ではない。橋本氏には何か意図があるとしか考えられない」と話しました。
経過や業者側の主張を確認するため、若松クレーン代表取締役に取材を申し入れましたが、「悪いことをしたわけではない。話すことはない。元木県議に聞いてくれ」と応じませんでした。(2008年1月20日高知民報) |