2007年12月8日

コラム「アンテナ」 気になる県議会との距離感
着任会見にのぞむ尾ア知事(12月7日)
12月7日午前の尾ア知事の着任会見。まだ今の段階で、あれこれ評価できるだけのものはないのだが、一つだけ「さすが」と思ったことがあった。

普段、知事会見にはこない高知新聞運動部の記者が「野球のナイター設備をつくるつもりはないか?」と唐突に質問した。この場でのこの手の「要望型質問」というのは、これまであまり記憶になく、ナイター設備については、四国・九州アイランドリーグ・高知ファイティングドッグスの代表者が、選挙で尾ア氏の応援を公然としていたこともあり、いきなりえらくダイレクトな話であるのだが、尾ア知事は「ナイター設備がないことは承知しているが、今までなかったということに理由があるかもしれないので、ちゃんと調べてみたい」とまずは無難にかわした。このあたりはさすが財務省仕込みか。

他の質問も、公邸や公用車はどうするとかいう、どちらでもいいような話題が多かったのであるが、これらに対して尾ア知事は「要するにもう少し様子を見て、知事の仕事がやりやすいような形にするので、今の段階ではどっちでもいいでしょう」という趣旨で答えた。これもまずは合理的なコメントだと思う。

ただ気になったのが、尾ア知事が県庁から県議会に続く通路、通称「松の廊下」についての感想を求められ、「資料を一杯持って、しょっちゅう往復する自分の姿が想像できる。廊下は長いと思わなかった」と述べたこと。このあたりに議会との力関係が透けて見えてしまい、4党相乗りの旧態依然とした選挙でのしがらみ、県議との距離感が、やはり気になるところである。

この日、さっそくと言おうか、尾ア氏の擁立に動き回ったとされている古参自民党県議が、新知事の着任直後の分刻みの過密スケジュールを縫って、韓国の関係者をつれて尾ア知事に知事室で面談している。この議員の韓国がらみの話は、前知事の時にもあれこれあった。何やら生臭さが気になるのは、勘ぐり過ぎであろうか。(N)