2007年11月4日

中学校30人学級「研究校」枠拡大へ
教育長と切実な教育課題を話し合った(10月24日県庁西庁舎)
国民運動県実行委員会(高橋豊房代表委員)は、2008年度の県予算の教育分野について、県民の切実な要求を県教委に伝える話し合いを10月24日に持ちました。県教委からは、大崎博澄・県教育長や県教委事務局課長が対応しました。

この日、主に話し合われた内容は@県費による小学校5・6年、中1への30人学級の拡大と国への働きかけ、A統廃合され通学が困難になっている県立高校生への通学支援策、B各学区ごとのバランスよい高校の配置、学区制堅持、C盲・聾学校における専門的な教育の維持、D主幹教諭・指導教諭、副校長などのポストは不要と言う問題について。県教委と実行委員会のやりとりの要旨を紹介します。

@少人数学級 県教委 中学校まで30人学級を拡大すると少なくても20〜25億円の県の持ち出しが必要。高知県の現状ではできない。30人学級にすればすべて中学校の問題が解決する確信がない。 実行委員会 100%の解決など無理に決まっている。30人学級を導入した西部中学校が落ち着いた例もある。これだけでも充分な成果。一つでも解決するのが大切だ。県下一律は無理かもしれないが、問題を抱えている地域を先行させることも必要ではないか。 県教委 現在実施している中学校30人学級研究指定校(高知市立西部中、同城東中、土佐市立高岡中の3校)の枠を若干増やすことを検討している。

A高校生への通学支援 県教委 通学支援奨学金を用意している(限度額は月額3万円)。 実行委員会 高校を卒業しても就職がない状況で生徒に多額の借金を負わすのはおかしい。なんとか支給する方法はないか。 県教委 手だてがあるかどうか考えてみたい。

B県立高校の学区制 県教委 学区制については地域によって要望も違う。幅広く声を聞いて検討していきたい。 実行委員会 高知市内の多くの生徒が市外に通学している。通学の交通費の負担も大変。来年度の募集で西高校の定数を減らすべきではなかった。 県教委 西高校は県立高校なので高知市内の人だけのものではない。 実行委員会 塾へ行かす金がない者は地元の高校に行けなくてもよいということか。郡部のゆとりのある家庭では高知市内に転居したり、窪川から毎日特急で通学している子もいるが、でもそんな金のない家の子どもは行く高校がない。これ以上の教育の格差は許されない。

C特別支援学校 県教委 法改正により設置者の判断で複数の障害に対応できる特別支援学校という制度ができたが、高知県では当面は現在の障害種別に対応した制度を維持していく。 実行委員会 「当面」というのが気になる。
 県教委 重度重複の障害が増えている。この子どもにどういう組合わせがふさわしいか、障害児教育の質を高める方向で考えることが必要だと思っているので「当面」とはそういう意味だ。

D新たな管理的教員の設置 県教委 子どもの幸せと教職員のやりがいを考えて望ましい学校組織のあり方はどうあるべきかを考えて行く中で、設置の是非をこれから検討していく。 実行委員会 この新しい職が本当に今の学校現場に必要なのか。授業をやり生徒の指導にあたってくれる先生を増やすべきだ。(2007年11月4日高知民報)