2007年7月11日

「贈収賄では?」 業者に「借金」した水道局係長 急いだ諭旨免職に批判 高知市議会建設委
7月11日の高知市議会建設委員会
高知市の水道工事を請負う2業者から合計115万円もの「借金」をして、職員倫理条例に違反として諭旨免職(6月18日付)となった同市水道局配水課係長(57歳)についての一連の問題が7月11日の高知市議会建設委員会(迫哲郎委員長)で執行部から報告。委員から「水道局はわざと早く辞めさせたのではないか」という疑念が出されたことから、執行部は再調査を約束しました。

質疑では、諭旨免職を決定する際に、贈収賄の可能性も含めた徹底した調査をしないまますぐ「問題なし」との結論を出し軽微な処分にしていること、さらに免職になる前の6月13日に同係長が口頭で発注した約920万円の工事代金が支払いを放置されているという不可解な不適正事務が発覚していたにもかかわらず、これらをまったく考慮せず、退職金が支給される諭旨免職にしたことへの強い批判意見が出されました。

諭旨免職という処分を岡崎誠也市長は知っていたのかと言う問いに対しては木藤善治・水道事業管理者が「市長・副市長の決裁をもらっている。係長として置いておくべきではないと判断した」と回答しました。

また工事代金の市からの支払いが滞っている受注業者は取材に答え、「口頭発注は、緊急性を求められる水道工事では一般的に行われている。早く支払ってもらえるように3月から何回となく担当者と前係長に話をしてきたが、何度言っても『もう少し待ってくれ』と言うばかりで何度も口論のようになった。突然退職したと聞いて驚いた」と述べています。

業者からの借金についての質疑(敬称略)

「業者との間に、これほどの貸し借りがあるというのは理解に苦しむ。贈収賄に近い」(近藤強・市民ク)

「業者の立場は弱く、市役所の係長に貸せと言われたら断れない。貸すからには(見返りの)期待を込めるのは当たり前だ」(島崎利幸・自民みらい)

「本人が借りたと言っているだけで、本当なのかは定かではない。貸し借りや返済の証拠は何もない。返したというが本人が言っているだけであり、16年に借りて今年の5月に問題になるまで返していないのでは、実際はもらっていたのではないかとも受け取れる。諭旨免職の判断が速すぎ。調査が不十分だ。再調査を求める」(下本文雄・共産)

「発注していたことを上司に報告できないようなムードが職場にあるのではないか」(水口晴雄・新風クラブ)

「なあなあの体質に問題を感じる。業者に借りができれば、発注で返すということにつながっていく」(吉田哲男・公明)
(2007年7月11日 高知民報)