2007年6月28日

「議決権の侵害」 執行部の再説明認めず 県議会企画建設委
   6月28日の県議会企画建設委員会
6月28日、県議会企画建設委員会は、27日に可決された県立高知女子大学池キャンパス移転のための用地造成費を削除する修正案について、執行部からの「造成費が削除されると看護学部の増員ができない。採決は誤った情報にもとづいているので再説明したい」という申し出を認めませんでした。

午前10時15分の委員会開会直後、佐竹紀夫委員長が、執行部からの再説明の要請について提起。

田頭文吾郎(共産緑心)、土森正典(自民)、結城健輔(自民)、江渕征香(県民ク)、横山浩一(県政会)の各委員から再説明に反対する立場からの意見が出され、佐竹委員長は当初「一時不再議の原則は承知しているが、説明は受けてはどうか」と説明を容認する態度でしたが、委員の反対を受けて今議会で説明を受けることはしないととりまとめました。一方、樋口秀洋(自民)、沖本年男(西風)の2氏は再説明を要求。以下は委員の発言要旨。

田頭委員 「委員会は責任をもって議論をして結論を出し採決は済んだ。採決の後で執行部が説明するなどということはあってはならない。議決権の侵害であり、認めるようなことがあれば議会の自殺行為だ。執行部は議決に基づいて判断すべきで、それが議会制民主主義だ」

江渕委員 「採決の前は休憩もとり、その時に執行部もいた。それを今になって否定するのはおかしい。これほど議会を馬鹿にした話はない」

土森委員 「25年県議をしているがこんなことは初めて。説明させたら議会の権威を失う。修正案は真剣に勉強して出した。執行部の都合で再度説明させてくれなどということが許されるのか。許せば委員長不信任が出る」

樋口委員 「一時不再議の理屈はあるにしても、重大な齟齬があった場合は、なお執行部に確認することはやるべきだ」

沖本委員 「議決行為はすでになされたわけだが、看護学部の開校に差し障りがないという認識での採決だった。物理的に21年開校ができないということになっているので論議を深めるべき」

今議会で造成費を計上しないと21年4月に看護学部の増員ができないということは、裁決後に急遽執行部が言い出したもの。造成費を削除して看護学部単体を整備することについては審議中、繰り返し議論になりましたが、執行部からはできないという反論はありませんでした。山本治・政策企画部企画調整課長に「なぜ採決の前に言わなかったのか」と聞くと「聞かれなかったから」。また「議員は本当に分かっているのか。看護学部がダメになったら議会の責任」などと議員を恫喝するに等しい言動も執行部側に見られます。

看護学部の増員については、「スペースはある。やりくりで対応できる」という関係者の声もあり、既存永国寺キャンパスの活用、社会福祉学部の増員の見直しなど執行部と大学の工夫次第で対応は充分可能です。

県立大整備が総額100億円もの大事業であることが県民に明らかになったのは6月議会になってから。県民が大学の全体像を了解しているとは到底いえない段階にもかかわらず、造成を先行させ既成事実化し、エスカレーター式に計画を進めるような県の手法が混乱の元凶といえます。