2007年4月3日

「なめちゃあせんか、わやにすな」 橋本知事が安倍政権へ「憤
4月3日、19年度の県政運営にあたっての講話を橋本大二郎県知事が150人の部課長を前に行いました。この中で知事は「パッション(情熱)、ミッション(使命)、イマジネーション(想像力)」の3ションをキーワードに、県政運営へ臨む構えについて述べ、言われなき地方交付税削減や地方の窮状につけこんだ原子力政策のありかたなど国の路線を、「わやにすな」と土佐弁を交えながら厳しく批判しました。知事講話の一部要旨を紹介します。(音声ファイルはこちら MP3形式)


橋本知事 昨年度を振り返り、漢字一字であらわすと「憤」。騙されたほうも悪いといえばそうだが、国のツケをまわすだけの「三位一体改革」で地方交付税は大幅に削られたままだ。このままで国が大手企業の収益を伸ばすための誘導策に力を入れれば、収益を地方に再配分するパイプは壊れているので、格差が開いていくのは当たり前だ。

それを承知で、再チャレンジだ、頑張る地方を応援プログラムだと言って、地方の財源のばらつきを調整する交付税を、あたかも奨励補助金かのようにエサとしてばらまいていく、こんな無神経なことがあるか。「おんしゃら、なめちゃあせんか、わやにすな」。憤りがこみ上げてくる。

こうした仕打ちに耐えかねて、文献調査をするだけで、多額の交付金を受けられる高レベル放射性廃棄物最終処分場調査に、手を挙げた町が県内にある。いわれのない地方交付税の減額によって、財政的に窮地に追い込んだ上、今度は多額の交付金をエサに札束で頬をたたく、こんな品のない、恥知らずの国の、どこが「美しい国なのか」。「おんしゃら、なめちゃあせんか、わやにすな」。憤りがさらに広がる。

ボンバルディアという飛行機のトラブルの制御も充分にできない人間の科学技術で、人類全体を死滅させる危険のある毒物を1万年も2万年も安全に閉じこめておくことができるなどと、誰が自信を持って言えるのか。せめてボンバルディア機の安全性くらい確立してからにしてほしい。「おんしゃらあ、なめちゃあせんか、わやにすな」という八つ当たりにも似たような憤りがこみあげてくる。

憤りはパッションの源になる。この1年、様々な不合理なことへの憤りを自分のパッションに灯をともす一つの原動力にしていきたい。

県職員は田舎の小役人になるな。発想を変えないままの田舎の小役人では、高知県は埋没し、国との闘いに負ける。攻撃は最大の防御だ。イマジネーションを発揮して全国に情報は発信していこう。とても美しい国とはいえない国の今のやり方、様々な不合理なことに対して、「おんしゃら、なめちゃあせんか、わやにすな」という気概を持ってこの一年一緒に頑張ろう。