2007年2月8日

「出資金は担保にならない」 県漁業信用基金協会・中西前専務理事が回答

県が平成12年から18年度まで予算化した(18年度は未執行)県漁業信用基金協会への年900万円の出資金について調査している県議会産業経済委員会(中西哲委員長、百条委権限付与)は、前基金協会専務理事の中西憲三氏に11年5月7日に野村俊夫元海洋局次長から保証要請を受けた時の様子について文書で回答を求めていましたが、7日の委員会で中西前専務理事からの回答文が公表されました。回答文には野村氏から出資金の話が出たが「県の出資金は担保にならないと思って聞いていた」という内容が記載されており、基金協会側の最も実務に精通した人物が「見返りとしての出資」という認識を全く持っていなかったことが裏付けられました。中西前専務理事は、百条委の中西委員長の親族にあたります。

回答文の記載事項は以下。Aが中西前専務理事

Q1 融資に対する保証要請と基金協会への出資金について
A 平成11年5月11日午前に野村海洋局次長と結城水産振興課長課長補佐が突然来会、理事長室で保証要請があり、出資金の話は野村海洋局次長より聞いた。

Q2 上記1に係る保証要請及び出資金の申し出が行われた状況について

A(1) 結城水産振興課長課長補佐より、よこはま水産(株)の状況と保証要請の話があり、理事長が信漁連に融資の話をしたかの問いに、まだとのこと。
 (2) 理事長は信漁連の融資のことであるから協議を要するし、協議次第では常任理事会に諮る必要もあると言ったと思う。
 (3) 保証要請の話が終わり、理事長が立ち上がったとき、野村海洋局次長が唐突に「担保に出資金を出す」と言うような話があった。県の出資金は担保にならないと思い、話を聞いていた。
 (4) 場所は基金協会、時間は午前、聞いたのは基金協会(理事長、専務)だけであり、信漁連はいない。


この回答からは、野村元次長が、出資金が基金協会への担保になると早合点したまま5月7日に話をしていたことが読みとれます。野村元次長は海洋局に赴任して1カ月しかたっておらず、理解が不十分であっても不思議ではありません。

また肝心の出資金を受け取る基金協会側の認識として、「とにかく保証と出資は筋が違う。出資は保証の担保足り得ん。そういうことで聞き流した」と百条委で証言している細木敏雄元基金協会理事長と同様の認識を中西元専務理事が持っていることが分かります。