2007年2月1日

中学校少人数学級の効果は「懐疑的」 大崎県教育長が庁議で
大崎博澄・県教育長は1月15日の庁議で「土佐の教育改革」の総括と今後の県教育の方向性についての発言の中で、中学校への少人数学級導入の効果については「懐疑的」であるという認識を示しました。

10年間に及ぶ「土佐の教育改革」の論議を総括し、今後の教育行政に生すことを目的にした「教育改革10年を未来につなげる会」(半田久米夫座長)の提言は、中学校問題解決のための集中的な対策を強調し、中学校での少人数学級実施を明記。学校現場、地教委、保護者からも問題が多発する中学校での少人数学級の早期実現を求める声が高まっている中の県教育の最高責任者による県民の切実な願い背を向けるような発言に失望の声があがっています。

大崎県教育長の中心的な認識は、中学校問題の解決にむけて重要なのは、クラスの人数という量的な問題よりも、授業内容など質の転換への対策であるというものです。

しかし、クラスの人数と授業の質は一体不可分なもの。また「質」以前の問題として、教員が「荒れ」の中で問題行動を起こす生徒を掌握できず、通常の授業が成り立たない学校が数多くある現状の中で、クラスの人数を少なくすることは、当たり前の授業へと「質」を高めるためへの喫緊の課題です。県教委自身が小学校での少人数学級の効果を認めて推進していることと比べても、中学校に限って懐疑的になるというのは辻褄が合いません。

大崎県教育長は取材に対し「全県の中学校の7割は実際には少人数学級になっているにもかかわらず不登校など様々な課題は出ており、少人数学級だけで問題が解決するわけではないという意味で使ったが、少人数学級には賛成だ。少し刺激的だったかもしれないが、庁議は県庁内部の会議なので率直な思いを語った」と話しています。

大崎県教育長の該当部分の発言は以下の通り。 保護者、教職員からも期待されているが、私は懐疑的に思っている。教育の構造改革は量から質への対策へと発想を転換する必要があると考えているが、これは量の対策である。効果はあるだろうが、本質的な問題解決につながるか疑問である。しかし現場からの期待も大きいので何らかの対応は必要と考えている。