2007年1月21日

雇用保険未加入を解決 全国の営業職員に影響 太陽生命
太陽生命高知支社
太陽生命保険株式会社(本社東京、大石勝郎社長)高知支社に勤める営業職員(保険外務員)の大久保晶子さん(66)、藤本佐知子さん(56)が高知一般労働組合への加盟を通じて、これまで加入していなかった雇用保険を2年間さかのぼって会社側に支払わせました。同社の全国の営業職員8000人にも影響を与える見通しです。

雇用保険は、雇用保険法で「労働者を雇用する事業所」が対象。事業所は週の労働時間が20時間以上の労働者を雇用保険に加入させる義務がありますが、同社は週20時間以上の労働実態がある営業職員すべてに雇用保険をかけていませんでした。

2006年12月、大久保さんが営業職員としての雇用契約をうち切られ解雇されたために雇用保険金を受けようと職業安定所に出向いたところ、会社が雇用保険料を支払っていなかったことが判明。高知一般労働組合に相談・加盟して、会社に雇用保険への加入を求めていました。この結果、同社は大久保さんの雇用保険を2年間さかのぼって全額会社負担で支払い、大久保さんとともに労組に加入した藤本さん(現在同社に勤務している)にも同様に保険料を支払いました。

大久保さんは「10年間働きましたが、雇用保険に入っていないことは知らなかった。労働組合に相談しなければ泣き寝入りでした。組合のおかげです」。藤本さんは「高知支社の営業職員は全て女性。女性への不当なあつかいは許せません。働く女性の権利のために良い結果が出ました。会社は職場の朝礼で、営業職員全員に雇用保険をつける発言しています」と話しました」。 

前田研・高知一般労組組合長の話 声を上げれば、おかしいことを変えることができるという実例。たとえ人数が少なくても労働組合を土台に法に基づいて要求すれば改善することができます。有給休暇の未消化や残業代の未払いなど、おかしいことには声を上げていくことが大切です。