県が平成12年から18年度まで実施した(18年度は未執行)県漁業信用基金協会への年900万円の出資について調査する県議会産業経済委員会(中西哲委員長、百条委権限付与)は12月26日の会議で、2007年1月23、24日に行う証人尋問の対象者を決定しました。議論の過程では、「出資は『解同』県連副委員長が経営していた『よこはま水産』を支援する「『闇保証』の裏支えだ」と主張している自民党委員が、きちんと調査をするつもりなら避けては通れないはずの12年当時の県海洋局長である星沢昭雄氏の尋問に激しく抵抗するなど、極めて恣意的な姿勢が明らかになりました。
13時から始まった委員会では冒頭、中西委員長が事前に用意した証人リストをまったく議論のないまま確認しようとしましたが、日本共産党と緑心会、新21県政会の委員が異議を唱え、「『疑惑』の柱になっている野村俊夫元海洋局次長の証言と異なる発言をしている星沢氏の意見も聞くべき(植田壮一郎委員)」、「(12月8日に出された)県監査委員報告が指摘している基金協会への出資の公益性や保証限度額の算定式を調べるのなら、星沢氏や現基金協会理事長、11年当時の財政課長も呼ぶべきだ(吉良富彦委員)」と主張しました。
これに対し、自民党の土森正典委員は「呼ぶ必要はない」、「調べるのは11年5月のことだ」と星沢氏の尋問に強行に抵抗しましたが、さすがに県民クラブや県政会の委員は「呼ぶ必要がない」とは言えず、中西委員長が「調査の中で必要があればまた考える。尋問は1月23、24日で終わりではない」という条件をつけて12人の証人尋問の対象者が決定されました。
県監査委員報告が指摘し、今回の百条委設置の大きなきっかけとなった基金の保証限度額の計算式の「偽装」については、問題になるとすれば12年4月から8月にかけてであり、「怪しい」というのであれば、当時の局の責任者である星沢氏を調査しないことは筋が通りません。
これまでの産経委の調査で星沢氏は、野村氏が星沢氏の書いた関係ないメモを持ち出したことを、きびしく批判して野村氏の証言の信用性に疑問を投げかけています。自民党の描くシナリオに都合が悪い星沢氏を、忌避するような恣意的な委員会運営をしていては、「ご都合主義」という批判は避けられません。
証人尋問のリスト
1月23日 結城勢賢・元県水産振興課補佐、串間正章・元県水産振興課長、細木敏夫・元県基金協会理事長、野村俊夫・元県海洋局次長、浜田利久・元県水産振興課金融班長、中澤卓史・県総務部長、浜田正博・総務部副部長
1月24日 清岡寿栄男・元県信漁連会長、上岡一兄・県海洋局次長、森光稔・元県海洋局長、河野八朗・元副知事、久保田寿一・県海洋局長
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