2006年10月22日

「解同」系公益法人・高知市労働事業協会 特命随契請けながら民主党に300万円献金

高知市朝倉己771−9にある協会事務所 「解同」市協事務所と完全に一体化している
同和地区の就労対策という名目で、現在も特権的に優遇された入札のない随意契約で高知市から多額の委託費を受けている公益法人・高知市労働事業協会(森田益子理事長)が、昨年の衆議院選挙時に民主党支部に300万円の政治献金を行っていたことが明らかになりました。就労対策のための特命随意契約による業務委託という行政からの実質的補助を受けている公益法人が、その収益を特定政党に提供することは、選挙の公平性を侵すことにつながります。

社団法人・高知市労働事業協会から献金を受けていたのは民主党高知県第1区総支部。昨年の総選挙で高知1区から立候補し落選した(比例区で当選したが、その後陣営の選挙違反で辞職)五島正規氏が代表を務めていた政党支部です。

同支部の17年の収入は、医師である五島氏の関係と思われる医療法人からの献金と、部落解放同盟関連の2本柱で、協会からの300万円の他、森田益子氏個人(やさしいグループ理事長の肩書)から150万円、部落解放同盟中央本部から30万円など「解同」関係から480万円もの資金が流入していました。

昨年9月の総選挙では五島陣営の「解同」と森田益子氏の運動は突出しており、後に選挙違反で逮捕された者の大半が「解同」関係者。藤沢朋洋・高知市議(「解同」県連書記次長、民主党県連副代表)も選挙違反に関わり辞職しています。民主党・五島陣営が人的にも資金的にも「解同」に支えられていた実態は明らかです。

大量に残る随契

社団法人・高知市労働事業協会は1978年、部落解放同盟高知市協の福祉対策部門として「部落の人々の仕事保障」のために設立され、当初の名称は「部落解放高知市労働事業協会」と呼ばれていました。以来、協会は高知市をはじめとする行政が発注する膨大な警備や清掃業務を特権的に入札なしで業務委託を請け続け、18年度も同和対策の根拠法はないにもかかわらず、「同和地区の就労対策のため」という名目で高知市から多額の業務委託を随契で請けています。

高知民報の調査で判明した18年度の随意契約による協会への委託の実態(1万円以下は切り捨てて表示)。

総務課 市庁舎南別館、たかじょう庁舎警備業務(1106万円)
同和対策課 市民会館(隣保館)の清掃業務(1616万円)、同館の運営開館業務(956万円)、デイサービス事業(2495万円)、
高知競輪 警備業務(1629万円)
スポーツ振興事業団(指定管理者) 総合運動場体育館・野球場清掃業務(1419万円)、同運動場夜間開場業務(503万円)、同便所清掃業務(148万円)、東部総合運動場屋外便所清掃業務(384万円)、針木運動公園清掃業務(45万円)、東部スポーツ施設清掃業務(122万円)

ここに計上したものだけでも契約金額は1億円に達します。協会への随意契約による業務委託は市全体ではまだ多くあります。法的根拠もないまま、特定団体に漫然と随意契約が続けられている実態は、到底市民の納得の得られるものではありません。早急に公正な入札に切り替えるなど透明性を高めていくべきです。

実質的「補助金」

問題は、入札を経ない行政の政策的判断による特命により委託業務を優先的に与えられている公益法人が、民主党という特定政党に「収益」を注ぎ込んでいることです。行政から補助金を受けている公益法人は政治献金をすることが政治資金規正法で禁止されています。市から「部落住民の就労対策のため」という名目で優先的な業務委託という実質的な補助を受けている公益法人が、特定政党への献金という政治活動を行うことは、選挙の公正を侵し、法の趣旨を踏みにじるもの。このような献金を受け取る政党の見識も問われています。