2006年10月12日
中学30人学級は3校研究指定を維持 小学校は35人学級4年生まで 県教委
大崎博澄・県教育長は公立中学校への「30人学級」導入について、現在県教委が実施している3校の研究指定については存続するものの、拡大は当面行わない見解を示しました。9月29日の県議会予算委員会で日本共産党と緑心会の吉良富彦議員の質問に答えたもの。
吉良議員は、現在、県教委が研究指定している西部、城東(高知市)、高岡(土佐市)の3校の研究成果を生かし、現場の実態に応じて拡大していくことを求めましたが、大崎教育長は「(指定校の研究が)明確な目に見える成果があがっているわけではない。もうしばらく研究を続けたい」と答弁しました。この答弁は、現状3校の研究指定を維持することを意味していますが、30人学級の効果について県教委自ら小学校で推進拡大している少人数学級の効果を、さらに生徒指導上の問題が頻発している中学校において疑問視するもので、日々生徒指導で苦闘している中学校現場の実態とはかけ離れたものです。
高知市教委は「土佐の教育改革」の総括にあたって、公立中学校問題に焦点をあてていくべきであると繰り返し発言。30人学級の成果についても「教育効果は大変高い。以前の学校環境との違いを実感する」と高く評価して、全中学校での実施を求めており、「目に見える成果が上がっているわけではない」という大崎教育長の認識は、学校や保護者、地教委の切実な要求とは大きいズレがあるといえます。
吉川明男・高知市教育長は「県教委には機会あるごとに中学校の実態、30人学級の必要性について話をしてきた。限られたパイの中で県教委が苦労しているのはよく分かるが、高知市の中学校にとって30人学級は必要だ」と話しました。
県教委が中学校への30人学級へ拡大に消極的な理由に、現状の財政難とともに、近く国が中核市へ教員の人事権を移譲する見通しであることがあげられます。「人事権が移譲されるまでは現状の研究指定で行き、あとは高知市独自の判断でやってくれというのが本音」と話す関係者もいます。
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小学校での小人数学級拡大について県教委は、19年度は4年生までを35人学級にする方針を固めたことを明らかにしました。10月10日の県母親運動実行委員会との話し合いの中で、県教委が表明したもので、県教委によると35人学級を実施するのに新たに必要な教員数は128人。