2006年9月24日

郷土を原発のゴミ捨て場にするな 高レベル放射性廃棄物処分場問題学習会に400人 津野町

参加者があふれた学習会会場 講師は小出裕章・京都大学原子炉実験所助手
高岡郡津野町で原子力発電から出る「原発のゴミ」を再処理してプルトニウムを取り出した後に出る放射性廃棄物を地中深く埋めて「地層処分」(※)をする「高レベル放射性廃棄物最終処分場」を誘致しようとする動きが活発化していることを受けて、住民たちが高レベル放射性廃棄物最終処分場の危険性について学習する講演会が9月16日に開かれました。講演会には町内外から400人が参加。会場は満席となり、高い関心が示されました。

講演会の講師は小出裕章・京都大学原子炉実験所助手。小出氏は、放射能被曝の危険、原子力発電の原理、チェルノブイリ事故による放射能汚染の実態、高レベル放射性廃棄物最終処分場の仕組みなどについて説明。

高レベル放射性廃棄物は100万年にわたって人間の生活環境から隔離しなければならない危険物であり、確実に大地震におそわれる日本で、いくら地中に埋設しても安全を将来に渡って確保することは困難であること、地震国でありながら原発依存を強めている日本の異常な原子力行政の実態を指摘しました。

石油に代わるエネルギーについての質問には「石油の可採年数はどんどん増えており、ウランのほうが先になくなる。これでは代替エネルギーとしての意味がない。エネルギー浪費型社会からの転換こそが必要だ」と強調しました。

学習会に参加した41歳の女性(葉山地区、福祉関係)の話 これは津野町だけではすまない大変な問題であるということがよく分かった。これまで地震のことはあまり考えたことがなかったが、なぜ世界一の地震国で原発なのか。家を出る時、中学生の娘に『お母さん今日の勉強会をよく聞いてきてよ』と言われた。若い人も心配している。

※高レベル放射性廃棄物を300メートル以上の地中に埋める施設。建設に10年間、埋設に50年間もかかるといわれる。数万年単位で放射能を出し続ける核分裂生成物を包む容器の腐食や地震による破損による地下水汚染や放射能漏れ、処分場への放射性廃棄物輸送時の危険などの安全性が疑問視されている。