2006年9月10日
障害者自立支援法 高知市が独自の減免方針 市民の願いに応える判断
障害者が施設通所などのサービスを利用する際の負担を「応能」から「応益」にする「障害者自立支援法」が4月から始まり、障害者と家族がいきなり高額な負担を強いられていることが全国的に大問題になる中で、高知市の岡崎誠也市長はこのほど障害者世帯を支援するための市独自の減免制度を実施する方針を固めました。正式には12日から開かれる9月市議会に提案する予定。実現すれば県下初。他の市町村への影響も大きいものがあります。
高知市の独自減免は平成21年3月までの予定とされており、18、19年度については自己負担額を現行の3分の1に(一般世帯の場合月額37000円が12400円)、20年度については3分の2に(月額24800円)市費を投入して負担を抑えるものです(別表参照)。市負担のトータルは元気いきがい課によると約5000万円。
岡崎市長は6月市議会の段階では、障害者の深刻な実態を示して独自の減免を求めた日本共産党の質問に対して否定的な見解を示していましたが、その後、障害者世帯の毎月の負担が、数千円から一気に4万円台に跳ね上がるなどの深刻な実態が次々と明かになる中で姿勢が変化がみられ、8月21日の「平和と生活を守る市民共闘会議」との話し合いの場で「何か方法がないか考えてみたい」と発言していました。
元気いきがい課によると「四国の他の県庁所在地よりも頑張った内容になっているはず」。県下で独自減免をはじめた自治体はまだないため、他の自治体に与える影響も大きいと思われます。高知市の独自減免期間は、国が制度の見直しをする20年度末までと期限を切った「激変緩和」であること、高知市が独自事業として取り組んでいる視覚障害者の移動時のガイドヘルパー利用を支援するサービスの自己負担を「応益負担」(1割負担)にする動きが出ているなど、必ずしも手放しで喜べない面もあり、今後も障害者自立支援法の抜本的見直しをさせる声を強めて行く必要があります。