2006年9月4日
今度は津野町 高レベル放射性廃棄物処分場誘致へ9月町議会で陳情採択か
候補地は四万十源流
原子力発電から出る「原発のゴミ」・放射性廃棄物を地中深く埋めて「地層処分」(※)する「高レベル放射性廃棄物(※)最終処分場」を建設しようとする動きが高岡郡津野町で活発化しており、9月8日から始まる同町の9月議会に、処分場の建設を求める陳情が提出され、採択される可能性が濃厚になっています。
同処分場は幡多郡旧佐賀町で問題になった経過がありますが、現在は原子力発電環境整備機構(NUMO)が全国各地で候補地を「公募」している段階(平成10年代後半をメド)です。1988年に動力炉・核燃料開発事業団が実施した調査では全国88カ所が地層処分に「適正」な地区とされており、旧大野見村の鈴ケ森付近(旧東津野町、旧窪川町との境・四万十川の源流に位置)がこの適正地に含まれていることから、建設候補地は鈴ケ森付近である可能性が濃厚です。
津野町役場に確認したところ「議員が六ヶ所村の視察に行っているが、議会としてではなく議員個人の段階なので、情報は町に上がってきていない」と答えるにとどまりました。
過去に大月町(核燃料中間貯蔵施設)、旧佐賀町で同様の問題が起きた時に、橋本大二郎県知事は「こうした施設を受け入れるつもりはない」(2004年2月県議会)と答弁しています。
高レベル放射性廃棄物
使用済み核燃料からウラン、プルトニウムを取り出す再処理をして残った高レベル放射性廃液を30年から50年かけて冷却し、ガラスで固めステンレス製の容器(キャニスター)に入れた「ガラス固化体」のこと。強い放射性を持ち、数万年以上放射線を出し続ける物質を含む。
地層処分場
高レベル放射性廃棄物を300メートル以上の地中に埋める施設。「ガラス固化体」を金属容器(炭素鋼製となるのが有力。呼称オーバーパック)に封入し、粘土の緩衝材で包んで埋める。処分施設は金属容器に封入するための地上施設と、地中深くに広がる横穴トンネルからなり、建設に10年間、廃棄物の埋設に50年間もかかるといわれる。数万年単位で放射能を出し続ける核分裂生成物を包む容器の腐食や地震による破損などによる地下水の汚染や放射能漏れ、処分場への放射性廃棄物輸送時の危険など、安全性が疑問視されている。