県議会6月定例会最終日(7月6日)、県監査委員が違法に支出された200件約146万円の捜査費を6月末までに返還することを県警に勧告したにもかかわらず、県警が「内部調査の実施中」を理由に返還しようとしないことから、議員の代表を監査委員に送り出した県議会の責任として、県警に早期に返還するよう求める決議が提案されました(日本共産党と緑心会、県民クラブの提案)。同決議は賛成少数で否決されましたが、議場では議会代表の監査委員として監査を行った武石利彦(自民)、黒岩正好(公明)議員が決議に反対するという不可解な光景が見られました。
田頭文吾郎議員(日本共産党と緑心会)が、決議の提案理由の説明にたち「法に基づく監査報告は極めて重要であり、県警本部長はまず勧告を受け入れ返還すべきである。特別監査を要求し、議会代表の監査委員を選出している県議会として態度を表明することが県民に対する県議会の責任だ」と指摘しました。決議案は反対討論が行われないまま採決に付され、賛成は日本共産党と緑心会・県民クラブだけ。自民党・県政会・新21県政会・公明党の反対で否決されました。
県議会代表の監査委員として「特別監査」(18年2月22日)を実施して捜査費支出の違法性を認定し、住民監査請求に応えて違法な捜査費の返還を県警に「勧告」(18年5月1日)した武石利彦議員が決議に反対。同じく返還を勧告した黒岩正好議員も決議案に反対、「特別監査」を武石議員と共に実施した佐竹紀夫議員(県政会)も反対しました。
決議に反対した理由について武石議員は「決議を県議会があげることは筋が通っていると監査委員としては思うが、この採決では議員としての判断が求められた。自分は自民党会派の議員であり会派の決定に従った」と答えました。
県民の負託を受けて議会代表として実施した監査を監査委員自らが否定することは、捜査費問題の徹底解明を切実に願う県民の期待を裏切ることになるのではないでしょうか。
監査委員 県議会議員から選任される委員2人、識見を有する者から選任される委員2人の計4人で構成。うち常勤の代表監査委員が1人。現在の監査委員の構成(敬称略)は武石利彦(県議)、黒岩正好(県議、18年4月1日から、3月末まで佐竹紀夫県議)、坂本千代(識者)、奴田原訂(識者、常勤)。 |