2006年6月28日

「よこはま水産」問題 「次長の認識の間違いは確認済」 橋本知事が本会議答弁 6月県議会
答弁する橋本知事
6月28日の県議会本会議で橋本大二郎県知事は、自民党の溝渕建夫議員の「よこはま水産」問題に関連する質問に答え、平成11年5月に県信用漁業協同組合連合会(信漁連)が「よこはま水産」に実施した5000万円の融資と、県漁業信用基金協会への県の出資金(年900万円、12年から18年まで)との関連性を否定しました。知事の答弁内容の要旨を紹介します。(カッコ内は編集部による。下の表に個人名のフルネーム。敬称略)

平成11年5月17日に受けた報告の様子は?副知事(河野)から報告を受けていたか。

橋本知事 当時の海洋局長から(森光)、「よこはま水産」に対して、信漁連が5000万円の融資を行ったこと、同社の今後の経営改善の見通しなどについて説明を受けた。あわせて信漁連が、融資を決定したのは、新たな販路の拡大などによって、経営改善が可能だとの判断からであること、平成9年度に結成した経営改善チームの指導によって、従業員の削減などにつとめているので、単年度の黒字が期待できることなどについて報告を受けている。

「よこはま水産」の件に関しては、日時はよく覚えていないが、海洋局長(森光)に対して、融資と絡めた出資は認められないと明確に指示をしていたので、この日も、その後の「よこはま水産」への対応については、対象地域の雇用の確保も大切だが、あくまでも企業としての経営改善の可能性を基本に対処するよう改めて指示した。

当時の厳しい経営状況に加えて元海洋局次長(都築)の事件があったため、この件に関して、副知事(河野)から報告を受けていたと思うが、明確な記憶はない。

平成12年度の知事査定(12年2月)について

橋本知事 12年度の予算査定の場では、海洋局から基金協会への出資を平成12年から18年度まで、毎年900万円継続することについて協議があった。出資継続の目的は、基金協会の財務体質の強化と、漁業近代化資金の融資枠の拡大にともなう保証能力の拡大だとの説明があった。その際、当時の海洋局次長(野村)から、平成12年度からの出資と、信漁連が行った融資との関連について、発言があったが、その場で当時の総務部長(兵谷)が、明確に否定している。

出資金の執行をやめるよう指示をしたか?(13年2月)

橋本知事 基金協会への出資金は、基金協会の財務体質の強化と、漁業近代化資金の融資枠拡大を目的としたものなので、そうした政策目的を持った予算執行を停止するような指示は一切していない。

当時の海洋局次長(野村)が、平成12年度予算の執行に対して、海洋局長(星沢)から、「予算の執行を停止するように指示があった」と説明しているとのことだが、実際にはその逆で、次長(野村)から「この予算を執行したら大変なことになる」という申し出が局長(星沢)に対してあったと聞いている(13年1月末)。これを受けて事実関係を確認するため、局長(星沢)や次長(野村)が、聞き取りを行ったと聞いている(13年2月9日)。それを受けて私をはじめ、副知事(吉良正)、局長(星沢)、次長(野村)が同席した場で、聞き取りの結果について報告を受けた(2月10日)。その内容は基金協会への出資金は業界の体質を強化するためで、信漁連の融資とは関係がないというものであったので、次長(野村)の認識が間違っていることを改めて確認している。

平成10、11年、12年度の関係部署幹部職員(敬称略)
知事 副知事 海洋局長 次長 総務部長
10年度 橋本大二郎 河野八朗 森光稔 都築弘一
広沢国昭
高尾和彦
11年度 橋本大二郎 河野八朗 森光稔 野村俊夫
広沢国昭
兵谷芳康
12年度 橋本大二郎 吉良正人 星沢昭雄 野村俊夫 兵谷芳康