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香美市北滝本の和住工業の土捨場 |
香美市土佐山田町北滝本地区の土捨場(和住工業が所有)に、低レベル放射性廃棄物の処分場を誘致する動きが同市内で出ていることが5月17日の香美市議会で明らかになりました。昨年の10月と今年2月24日には財団法人「原子力研究バックエンド推進センター」(RANDEC)が現地調査。住民説明会を実施しています。
低レベル放射性廃棄物処分場とは、研究用や医療機関から出る放射性同位元素使用施設や研究用原子炉から出る固体や汚染水などの廃棄物を土中に埋めるもので、廃棄物を焼却や圧縮してドラム缶につめ土中に50年間かけて埋設。放射能が消えるまで300年間の管理が必要とされています。
RANDEC立地推進部によると「地元住民から要請があったので説明に出向いた」、文部科学省原子力計画課は「高知県内での誘致の動きはまだ聞いていないが、住民に関心をもってもらえるのは喜ばしいこと」と述べました。県行政には放射性廃棄物について対応セクションがなく(原子力行政は国の管轄)、県・香美市ともに情報をほとんど持っていないのが現状です。
この土地については、2003年7月に自民党の依光隆夫県議が産廃用地として橋本大二郎県知事に斡旋していたことが(知事は拒否)、問題になった経緯があります。
解説 低レベル放射性廃棄物は原発から出るもの、医療・研究用機関から出るものに分けられます。原発からの廃棄物は経済産業省の所管で、青森県六ケ所村の処分場が知られていますが、文部科学省の所管となる医療・研究用の廃棄物は処分ルートが明確になっておらず、法整備も昨年行われたばかりの状態で、大学や病院構内にドラム缶入りの廃棄物が積み上げられている現状があります。全国で未処分のドラム缶は51万本に達するといわれ、文科省には早急な埋設処分が迫られており、日本原子力研究開発機構、日本アイソトープ協会、原子力研究バックエンド推進センター(RANDEC)という3団体に下請させて、全国各地で処分場の候補地を探している最中です。香美市での誘致の動きは、このような国の流れの中で出てきているものです。 |