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米海軍ミサイル駆逐艦「ラッセル」(米海軍HPより) |
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宿毛湾港 左の台地上の埋立地が池島岸壁(国交省HPより) |
アメリカ海軍のイージス艦「ラッセル」が5月23日から27日まで、宿毛市の宿毛湾港池島岸壁に入港したいという要請が4月26日、アメリカ領事館や海上保安庁を通じ県にありました。近くアメリカ側から係留許可申請が出てくるものと思われます。
ラッセル(DDG-59)は高性能のレーダーを搭載したイージス艦で、核弾頭搭載可能のトマホークミサイルも装備。主に南シナ海方面を中心に行動してきました。
港を管理している県港湾空港局によると(許可権限は宿毛市長に委任されている)、ラッセルの入港目的は「親善と乗組員の休養」で、当初は高知新港への入港を希望していましたが、水深の不足(入港には12メートル必要)と、貨物船の積み下ろし予定が先に入っていたことから断念。宿毛湾港への入港を打診してきています。県は宿毛湾港池島岸壁は深さ13メートルで水深はクリアしているものの、付近に10メートルの浅い岩場があること、防波堤が未整備で強風時には港が荒れることなどから困難ではないかと指摘しましたが、アメリカ軍側は浅瀬を回避して入港する意向を示しています。
ラッセルの入港にあたり県は「本県には県議会の決議(※)があり、核兵器を搭載していれば入港は認められない」という内容の照会文書を5月2日、大阪と神戸のアメリカ領事館、外務省に職員が出向いて手渡しました。この時のアメリカ側の反応は「文書での回答は難しい」(県港湾課)というもの。アメリカ軍は「個別の艦船の核兵器搭載の有無は明らかにしない」という方針をとっており、核兵器の有無についてきちんと回答するかどうか疑問ですが、12日にアメリカ領事館関係者が県庁を訪れた時に一応何らかの「回答」を口頭ですると思われます。
国はアメリカ軍艦船の入港は日米地位協定に基づくもので拒否する権限は地方自治体にはないという見解のため、「核兵器を搭載していれば入港はさせない。返答がこなければ許可しない」という県の姿勢は、許認可権は地方にあるという地方自治の原則を確認するもので評価できるものです。
一方で県はラッセルに核兵器が搭載されていないことをきちんと説明しなければなりません。口頭でのあいまいな「回答」ではなく、県民への説明責任を果たすため文書による責任ある回答を求めるべきです。また「決議」は核兵器の有無だけでなく、港の平和利用も強調しています。現在も戦争を行っている米海軍の武器弾薬を満載した戦闘艦船の入港が「平和利用」と相容れるのか。また入港時には県警の警備が必要となることから警備費用の県費負担という問題もあります。
※高知県の港湾における非核平和利用に関する決議 世界の恒久平和は、人類共通の願いであり、昭和59年7月には「非核平和高知県宣言」を決議したところである。高知新港の一部開港を控え、県内全ての港において非核三原則を遵守し、県民に親しまれる平和な港としなければならない。よって、当県議会は、ここに改めて高知県の港湾における非核平和利用を決議する。 平成9年12月19日 高知県議会
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