2006年4月30日

アイフル処分 いつまで続けるサラ金CM テレビの責任は重大
サラ金を「気軽」にしたのはテレビCM
 ご存じチワワのCM
「どうする?アイフル〜」。サラ金大手・アイフルが違法な取り立て行為により金融庁から全店営業停止処分を受けアイフルのテレビCMが全国的に流されなくなったことが県内のテレビ局にも影響を与えています。「高知放送」と「テレビ高知」の対応を調べました。
 
景気悪化の中で企業が発注するテレビCMの量は減少。とりわけ2月、8月は量が少なくCM枠を埋めるのに局が四苦八苦するような実態があります。テレビ局関係者は「サラ金のCMは季節に左右されず高単価が期待できる貴重な収入源」。今やサラ金とテレビは切っても切れない関係になっています。

テレビが流す大量のCMによってサラ金被害は家庭内に広く浸透。中でもアイフルはチワワを使った巧みなCMシリーズで視聴者の「好感度」を大きくアップさせました。29%にもなる脱法的な超高金利の借金を返済能力のない人にまで「気軽に」させてきたことへのテレビの責任は重大で、アイフルの営業停止処分は、その片棒を担いできたテレビ局も同様に断罪したものと考えるべきでしょう。

自主規制

テレビ局が流すCMには、東京のキー局がネット経由で流してくる分と、ローカル局が独自に契約して流す分があります。

テレビ高知編成業務部は「金融庁がアイフル処分を発表した4月14日、うちでもあわてて県内分を調べてみたが、すでに4月分はアイフル側からCMを止めていた。おそらく事前に処分されることが分かっていたのだろう。東京のキー局からくる分は処分発表後から2カ月間は流さないので、アイフルのCMが流れない状態は6月中旬まで続くはず」と現在アイフルのCMがストップしていることを強調しましたが、「たまたま相手が自主規制してCMがこなくなっただけで、局が何か判断をしたわけではない」(局関係者)という厳しい指摘も。局の内部で反省や検討がされないままアイフル側の自粛だけでCMがストップしている状況は高知放送でも全く同じです。

6月に「自粛」が解禁された時の対応については「金融庁に指摘された点がどれくらい改善されたのか見極めて内規に照らし判断する。素通りさせることはない(テレビ高知編成業務部)」、「まだ分からないが、特に検討せずに再開する可能性もある(高知放送編成部)」とニュアンスはかなり違うものの、両社ともアイフル側が再度CMを出してくれば、今後も同様に放送する可能性が高い回答でした。

4月16日の「高知新聞」社説はアイフル処分を「ヤミ金融と同じ」と厳しく糾弾。同社と武富士を日本経団連に加入させたことや、サラ金を利用して大儲けしている銀行を手厳しく批判していますが、これはCMで儲けてきたテレビ局にもそのまま当てはまります。アイフルと他のサラ金のやり口は「五十歩百歩」で大差ありません。今テレビ局に求められているのは真剣に「サラ金漬け」からの脱却を考えることではないでしょうか。