日高村産廃 焼却炉増設は「万が一」 知事の地元説明と温度差
11月24日に開かれた県議会文化厚生委員会で行われた日高村への産業廃棄物処理施設建設についての報告の中で執行部は、管理型処分場のみを建設する縮小案では、敷地を目一杯使い管理型処分場をつくり、将来「万が一」焼却炉を増設する場合には沢を埋めて敷地を造成して対応すると述べました。
橋本大二郎県知事の日高村での説明会をはじめ、県はあらゆる場面で「まずは管理型から整備」という表現を繰り返し、管理型処分場のみの計画は暫定的で、近い将来に焼却炉増設があるかのような印象を与え、日高村民の計画変更への批判をかわそうとしてきましたが、この日の説明とはかなり温度差が。中野益隆日高村長は「最終処分場だけで終わりではないと知事も言っている」と村民に公言してきましたが、実際には焼却炉を増設する可能性は「万が一」でしかありませんでした。
この日の委員会では課題になっている日高村への振興策削減についての方向も一定明らかにされました。これまで県が村に約束していた事業費約61億円にのぼる13プラス1事業を、@実施困難な事業(研究設備、共同浴場などの交流センター、4億円)、A実施に問題がない事業(県道床田伊野線、柱谷集会所改築、能津小プール、村営住宅新築、学童保育・保育料への補助など27億円)、B実施に課題が残っている事業(JR小村駅整備、道の駅整備、ケーブルテレビ整備、仁淀川への高架橋、30億円)に分類し、Bのうちどれを選ぶのかを村と話を詰めるとしています。産廃施設本体の事業費が70億円から48億円に減額になったことから予想される振興策の総額は40億円程度になりますが、JR四国が駅新設に難色を示したり、ケーブルテレビネットワークを設置した後の高額な負担や運営への村側の強い不安、高架橋事業を実施する場合の高額な村負担など、どの事業を選択するにも簡単でない状況があります。委員会を傍聴していた森下雅文・日高村議は「13プラス1事業は村民から出された願いであり、あくまでもすべての事業の実施をお願いしていく」と話しました。