日高村産廃地元振興策 日4トン車5台のため17億円の高架橋? 費用対効果どこへ
17億円をかけてかけ替えが予定されている橋
日高村に予定されている産業廃棄物処理施設「エコサイクルセンター」の建設計画が大きく縮小される方向が持ち上がっていることから、県が日高村に「手形」を切っている総額61億円の地元対策(基本的に村の負担はゼロ)の異常性が浮き彫りになっています。
とりわけ突出しているのが廃棄物の搬入路の名目で17億円をかけてかけ替えが予定されている仁淀川にかかる高架橋(日高村名越屋といの町勝賀瀬の間にかかる。現在は沈下橋)です。
縮小案にともない持ち込まれる廃棄物の量は半減(年間11440トンから5170トンへ)することになりますが、年間250日稼働で数えると1日あたり20トン強。使われる車両は4トンダンプで5台、11トン大型ダンプなら2台という計算になります。1日数台の車両のために17億円もかけて橋を架け替えることが今日の状況下で許されるのでしょうか。数キロ上流の柳瀬橋経由で予定地に入る上流からの搬入路も21億円を投じて整備がはじまっており、搬入路ならば上流からのルートで充分です。
9月15日の県議会文化厚生委で、事業費(48億円)と地元対策(61億円)が逆転することを指摘された県執行部は、「日高村も常識的に判断してくれると思う」と答弁していましたが、16日の日高村議会では「みだりに計画を変更することは容認できない」と縮小案に反対する決議を全会一致で採択。中野益隆村長も同様の姿勢を示しているといいます。
振興策の内容は、ケーブルテレビのよる全村ブロードバンド化、道の駅・小学校プール・村営住宅の建設、学童保育や保育料の助成に、前出の道路整備、高架橋など。村負担分は県が肩代わりして基本的にタダとする約束になっています。
日高村にとって「振興策」はあれもこれも無料でやってもらえる「打ち出の小槌」であり、あくまでも固執する構えですが、この「振興策」には県議会はもちろん、県庁内でも「これだけ支出をカットしている時にひどすぎる」という強い批判があります。あまりにもバランスを欠く税金の投入が県民に理解されるはずもなく、産廃本体の計画同様、「振興策」についても抜本的に考え直す時期にきています。
産廃予定地と高架橋、上流からの搬入路の地図