2005年8月24日             


「小泉構造改革」の是非問う選挙に 衆議院選挙が8月30日公示

小泉内閣が「構造改革の本丸」と意気込む郵政民営化法案が反対多数で参議院で否決されたことを受けて8日、小泉純一郎首相は衆議院を解散、衆議院選挙が9月11日に投票(8月30日公示)されることになりました。県内各党は選挙態勢を急ピッチですすめています。


    春名なおあき氏

日本共産党高知県委員会は、比例代表四国ブロック選挙(定数6)での春名なおあき元衆議院議員の議席奪還を最大の目標に、県内小選挙区には1区・春名氏(比例重複)、2区・谷崎治之氏、3区・本多公二氏を擁立。郵政民営化反対に真っ向から論陣を張るとともに弱者を切り捨てる「小泉構造改革」路線そのもを批判し、低所得者ほど負担が重い所得税控除の廃止や消費税率引き上げと憲法改悪を許さないために「国会には確かな野党が必要」と支持を訴えています。

自民党は1区・福井照氏、2区・中谷元氏、3区・山本有二氏の現職を公認。比例代表四国ブロックに日高村議の女性をたてるとしています。自民党のスローガンは「改革を止めるな」。公約は郵政民営化推進、改憲、庶民増税などですが、郵政民営化の本質は大銀行や保険業界の儲けを保証するための条件整備でしかなく、県民には民営化によって過疎地の切り捨てに拍車がかかることへの懸念が強くあります。郵便局の次に「構造改革」の標的になるのは農協であるとも言われていることから、自民党のかかえる矛盾は深刻です。郵政民営化法案に批判的な発言をして採決を棄権した福井氏は、一転賛成派に転向。節操のなさに県民から批判の声があがっています。

民主党は1区・五島正規、2区・田村久美子、3区・千葉県在住の20代女性を立候補させる構えですが、五島氏が引退を表明していたことに加え、郵便貯金の限度額の引き下げにみられるように自民党と「構造改革」や改憲を競いあい、自民党政治に対抗する足場を持たない民主党の路線には、県内の支持母体である旧社会党勢力との温度差が広がっています。

公明党は比例四国ブロックの現職・石田祝稔氏の再選が至上命題。自民の3小選挙区候補を推薦して自公一体となり創価学会員へ「日本を前へ、改革を前へ」「郵政民営化は改革の要」と大号令をかけています。小選挙区で自民党を推薦する「見返り」は当然「比例は公明」。自民党内では比例選挙で他党への支持を呼びかける政党の「溶解現象」に強い批判が出ましたが、自民県連は「比例はできるだけ公明党を応援する」と今回も同様の取り組みをすると述べています。

社民党は小選挙区への候補擁立を断念。民主党県連が連合高知と交わした政策協定に「憲法前文・九条の堅持」を盛り込んだことを理由に民主党候補を支持するとしています。岡田克也・民主党首が国連決議があれば海外での武力行使を可能にする改憲を前提にしているのは周知の事実であり、改憲を自民党と競いあう勢力を応援するようでは社民党の掲げる「護憲」の看板が泣くというものです。