高知県警捜査費疑惑 橋本知事が特別監査請求を表明 県議会総務委も請求動議確認
記者会見する橋本知事(7月5日県庁内)
6月県議会の焦点になっている県警捜査費疑惑解明問題で、橋本大二郎県知事は5日、これまで否定していた知事による特別監査の請求を、県監査委員会に求めることを明らかにしました。また同日、県議会総務委は全会一致で地方自治法98条2項に基づく監査請求動議を7日の議会最終日に提出することを確認。膠着していた県警捜査費疑惑の解明にむけた動きが始まりました。
橋本知事は記者会見で、県警関係者から話を聞いたり、県議会の議論や県民の声を受けるなかで、「これまでの姿勢を改め、一歩踏み込んだ取り組みをすべきと考え、監査事務局に特別監査を請求することにした」と表明。6月議会の質問戦の中で監査請求を否定していたにもかかわらず、請求することになった経緯について、7日の本会議の閉会あいさつの中で説明する予定です。
これに先立つ県議会総務委員会は、黒木慶英県警本部長から報告を受けて捜査費疑惑について審議。黒木本部長は、「不適正な執行を伺わせる事実は把握していない」という従来と同様の答弁をくり返しました。委員からは「そのような説明では県民は納得しない(牧義信委員)」という厳しい指摘とともに、「灰色でもいいからしっかり情報をとるべきだ(樋口秀洋委員)」など県警の言い分に「理解」を示す質問もでましたが、自民党の中西哲委員から「議会として監査を請求すべきだ」という提案があり、独自の提出を準備していた「日本共産党と緑心会」と県民クラブが賛同。知事が監査請求する姿勢を見せていることを理由に消極姿勢をにじませた「21県政会」も賛成、公明党からも異論は出ず、全会一致で県警本部、高知警察署の監査(平成14、15年度分)を請求して12月議会に報告を求めることを確認しました。7日の本会議で議決される見通し。