２００５年７月２日

市場に続き市教委も「特定業者」と癒着し分割随契　高知市議会は全会一致で調査特別委員会を設置

　　　「不適正発注等に関する調査特別委」設置を決めた高知市議会本会議（６月２９日）

高知市が中央卸売市場の建物外壁工事を、圧力に屈し分割偽装した随意契約で「特定業者」に仕事を優先的に発注していた問題に続き、市教委でも市場と同じ「特定業者」にまったく同様のやり口（表の※参照）で仕事を回していたことが判明したことを受け、高知市議会は６月２９日、「不適正発注等に関する調査特別委員会」（中野城久委員長）を全会一致で設置しました。前松尾市長時代に市長を先頭に「特定市民」と「おつきあい」し、今も市役所を蝕む「声の大きな者」の言いなりになる不公正な市政を是正するため、洗いざらいウミを出し切って「負の遺産」を清算することが特別委に課せられた使命です。

市教委が発注した過去３年間の塗装防水工事で「特定塗装業者」Ａの実績をみれば、その異常な癒着ぶりは一目瞭然です。１４年度に高知市教委が発注した塗装防水関係修繕のうちＡ業者は件数で４５％、金額では５３％を１社で受注。１５年度は件数３６・８％、金額３７％、１６年度は件数２８％、金額１４％（１６年度は、他に高額な防水工事があったため金額の割合は下がっているが、額は増加している）にのぼり、異様な高率で工事を請け負っています。

　　高知市教委が発注した塗装防水工事の発注一覧

Ａ業者に発注した契約内容の詳細を見ると、さらに不自然さが浮かび上がります（下の表を参照）。地元紙が大きく報じた南海中学校の階段工事の他にも分割したような形跡が見受けられ、入札によらず随意契約で済ますことができる５０万円以下ギリギリの金額である４０万円代後半の金額がやたらと目立ち、まったく同額の工事もあります。まともに価格競争が行われていれば、価格が下がっていたことは確実であり、市教委の「特定業者」への恣意的発注は、市民に損害を与える背任的なものといえます。同時に市教委だけでなく、契約や支払い内容をチェックしなければならない市役所内の部署が、長期にこのような発注を見過ごしてきたことも重大であり、出納セクションや監査事務局の責任も問われることになります。

　　　　　　　　　　　　　過去３年間に市教委から特定業者Ａに発注した内容　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位円）