2005年6月23日


6月高知市議会 福島明議員(新風クラブ)が日高村産廃推進宣言 「赤字黒字で必要性判断すべきでない」と赤字容認打ち出す 岡崎市長は「9月議会で最終的に判断」 



6月23日の高知市議会6月定例会の本会議個人質問で「新風クラブ」(保守系)の福島明議員は、日高村に建設が予定されている産業廃棄物処理施設エコサイクルセンターについて、積極的に建設推進を求める立場で質問を行いました。「新風クラブ」は3月議会まで産廃建設の是非について態度を明確にせず中間的な態度をとっていましたが、会派代表の福島氏のこの質問により、積極推進へとスタンスを変化させていることが明らかになりました。

執行部はこれまで、エコサイクルセンターの運営赤字が危惧されていることから、「赤字のないことが施設の前提」、「運営赤字なら計画は断念」という見解を示してきましたが、福島氏は「収支の赤字黒字で施設の必要性を判断すべきではない」と執行部の赤字の補填を認めない見解の変更を迫るものでした(質問内容は後述)。

答弁に立った岡崎市長は、管理型処分場の必要性は認めつつも、市費による赤字補填には難色を示し、9月議会で高知市の施設整備の負担金問題も含め、最終的に判断するという従来の答弁をくり返しました。

エコサイクルセンター建設について市議会内の構図は、反対が自民党(6)と日本共産党(7)、推進が「新風クラブ」(7)で固まりつつありますが、公明党(8)、「市民クラブ(旧社会党系)」(11)、「清流クラブ(保守系)」(2)についてはまだ流動的で不確定要素があります。また「新風クラブ」は「赤字を容認した」という指摘に対して、「会派としての意見ではない」、「赤字を容認しているわけではなく、赤字にならないよう計画変更を求めている」と言う議員もおり、一枚岩で積極推進とは言い切れない要素もあります。しかし、いくら施設計画を変更・縮小したとしても、廃棄物の量が著しく減少し処理ルートが確立している現状の中で、運営収支を改善できるような方策があるはずもなく、実際には「赤字覚悟の建設」か「中止」の二者択一というのが現実です。



福島議員のエコサイクルセンターの赤字についての質問要旨

市長は赤字が出た場合に市町村が運用費用を公費で補填する無理があると答弁をしているが、一方で公共管理の管理型は必要と発言しており、矛盾を感じる。産廃行政は市に課せられた市民の安全を守る大切な仕事と理解しているのか不安だ。確かに産廃の処理責任は排出業者にあるが、この意味は産廃を出した業者は最後まで処分しなさいということ。排出責任を果たさせる大きな要素である公共関与の管理型処分場の必要性を認めた市長発言は評価するが、必要な施設なのに赤字がダメとはどういうことか。まさか産廃行政を競馬場と同列に考えているのではないだろうが、産廃施設は文化施設とは違って、目に見えにくい産業の静脈だ。人間が生きていくためにものを食べれば糞がでる。人の暮らしをよくするためにものを作ればかならず廃棄物が出る。ここ10数年高知市は綱渡りの状況で産廃処理ができているが、綱は細くもろく確信が持てるルートではない。道路整備と同じで、将来を見通した公共投資であるが故に、将来の維持管理も必要。市民の暮らしの安全・安心を守るため、環境保全を目的とする施設の運営を行おうというときに、単に収支面で施設の赤字黒字で施設の必要性を判断すべきでないと考える。県市のトップ会談で公共関与の管理型とは必要と言いながら、慢性的な赤字は困るという発言をしているが、市長の考えが明確ではない。