高知市観光課横領事件 特別委が岡崎市長から事情聴取 ダブルチェック「指示が不徹底」 プリンター決裁「不適切。責任感じる」と陳謝 与党は幕引きの思惑ありあり
特別委に出席した岡崎市長
高知市観光課の松本勝彦・課長補佐(平成17年4月に懲戒免職、逮捕)が外郭団体の事業費を横領着服していた事件を調査する「同市議会補助金等交付金事務調査特別委(浜辺影一委員長)」は、6月2日の会議で着服が行われていた平成13年、14年度に事務の責任者である観光課長を務めた岡崎誠也市長から事情を聴取しました。岡崎氏は自らが課長当時に起きた数々のずさんな事務について「事務の適正な執行ができなかったことをおわびする」と繰り返し謝罪しましたが、市民クラブ・新風クラブ・公明・自民などの市長与党会派は「岡崎氏の傷にしない」という配慮がありあり。幕引きムードが漂いました。
日本共産党の下元博司委員は、「前松尾市政の開発偏重と過度に即効性を求める『攻めの観光』を背景にした観光課の異常な実態が事件の根底にある」、岡田泰司委員は「管理職が何をしなければならないかが分かっていない。本来の仕事をきちんとしていれば事件は起きていない」と指摘しました。
この日の委員会では西川博行・前産業振興部長も事情聴取を受けました。事業が終了しているにもかかわらず約700万円もの残金が発覚した「よさこい全国大会」(11年から16年)事業を高知市が観光協会に「外注」した(実際には観光課職員は全員協会職員を兼ねているので1人2役になる)歴年の契約内容が提出されましたが、この中で11年度に300万円が限度だった「前払金」が、「1500万円以内、残金は返済」(12年)、「1500万円まで。返済規定なし」(13年)、「補助金として1500万円交付。全額前払可。返済規定なし」(14年)と、岡崎課長になってから、前払金がふくれあがり恣意的な使い方を可能にする契約内容に改変されていたことが明らかになりました。
700万円の残金のうち12年度分は返済規定が未履行のまま放置されており、契約自体に違反した状態。他の年度は返済規定がないことをいいことに「眠って」いました。この残金の存在は今回の事件が発覚しなければ明らかになることはなく、「築城400年事業会計」からのプリンターの不正購入同様の使われる可能性もありました。
岡崎市長の答弁のポイント
課内の通帳の引継
通帳の引継は課長段階ではやらない。 当時は資金管理を引き継ぐという考えがなかった。キャッシュフローの管理を課長ができていなかったことが犯罪につながった。
課内でのダブルチェック体制について(当時の補佐は龍馬の生まれた街記念館を建てることに集中するよう特命を受けていたので公金管理はやっていないと述べていることについて) 補佐がやっていないと言うのなら課長としての指示が不徹底だった。特命と言えるかどうかは分からないが記念館を主にやってくれという指示は自分が出したが、課長補佐の管理職本来の仕事が免除されたわけではない。
高知城築城400年周年事業推進協議会関連
解散総会について(14年3月25日) 事務局長として議案を説明した。決算は見込みで報告した。現金が残ることは想定しておらず、剰余金が出たときにどうするかは協議していなかった。決算が確定した時点で文書で各委員に連絡し承認を得ると説明したが、立て込んでいたので最終確認ができなかった。事務局長としての本来の職務ができていなかった。
残金からのプリンタ購入について(14年11月) 毎日たくさんの伝票を処理するのでチェックが抜かった。チェックができなかったのは私の責任。14年11月に執行していることは不適切だった。
よさこい全国大会の700万円余の残金発覚について (事件後)初めて知った。
プリンターを不正購入した時の観光協会の支出命令 岡崎誠也観光課長の決裁印がある
プリンターの領収書は「高知市観光科(ママ)」宛 会計がぐちゃぐちゃになっている実態が現れている