2005年5月20日


高知市観光課横領事件 業者支払1年2カ月以上の滞納知りながら放置 松本被告に「全幅の信頼置いていた」


             5月20日の特別調査委員会

高知市観光課の松本勝彦・課長補佐(平成17年に懲戒免職・逮捕)が外郭団体の事業費を横領着服した問題を調査している「同市議会補助金等交付金事務調査特別委(浜辺影一委員長)」の5月20日の委員会で、松本被告が「龍馬脱藩・ゆかりの道関連市町村協議会」の口座から726万円余を着服していたことが判明する3カ月以上前に、支払いが滞っていた業者から課長が直談判されたにもかかわらず特段の対策をとっていなかったとする同市商工観光部の総括文書が公表されました。

滞納があったのは、同協議会がJR四国関連企業に支払わなければならない平成15年10月期限の約425万円。支払いを担当していた松本被告は、15年8月から同協議会の通帳・印鑑を勝手に持ち出して、四国銀行市役所支店から計14回726万4933円を不正に引き出しており(16年12月28日まで)、多額の着服のため残高が不足し、支払いを先延ばししていたと考えられます。

16年12月27日には企業の取締役が観光課を訪れ「15年度に請け負った事業の支払いが遅れて困っている」と課長に交渉。年度をまたいだ1年2カ月以上の滞納があること、取締役が直に市役所に乗り込んでくるというのは相当な異常事態のはずですが、「全幅の信頼を置いていた」ためにその後も「早く払うように」と松本被告に督促するだけの対応をとり続けていました。

結局、松本被告が金を工面して業者に支払ったのは17年4月1日。異動してきた新しい課長が異常に気付いて調査を始めた翌日のことでした。特別委で報告を受けた委員からは、「全幅の信頼というが、管理職がやるべき仕事をやっていないだけではないか」という批判がだされました。