コールセンター「オーシャンテレコム」開業半年 継続雇用者26人で補助対象下限ギリギリ 6割すでに離職
高知市と県が誘致したコールセンター「オーシャンテレコム」(光通信系企業と大旺建設が出資)が、4月末で開業(昨年10月)から半年が経過したことから、県市の助成内容が明らかになってきましたが、この中で開業時に入社した社員の6割がすでに離職していることが判明。社員の定着率が極めて悪い同社の実態が明らかになりました。高知市と県が鳴り物入りで誘致した「コールセンター」第1号ですが、企業の質をまともに吟味しないまま安易に飛びついたツケは高くつきそうです。
高知市産業政策課は、人件費への助成を確定するため開業時から6カ月以上継続的に働いた人数を確定していますが、高知市在住者は23人(うち1人100万円の助成が出るスーパーバイザーが6人、他は50万円)。助成対象企業となる最低条件が半年で20人以上の雇用となっていることからギリギリの人数。市外在住者3人を加えても計26人となっています。
昨年10月の入社式では63人が入社したと発表されていることから、少なく見積もっても6割の社員が半年たたずに辞めたことになります。強いストレスのかかるノルマを課した無差別テレアポ(飛び込みで電話をかけて売り込む商法)を強いる光通信系企業の社員の定着率の悪さ、大量雇用・大量離職は全国的にどこでも問題になっていましたが「オーシャンテレコム」も例外ではありませんでした。
同社は4月以降、これまでの土日休日から、月曜日と会社の指定する日の休みへと勤務形態を変えていることから、離職率はさらに悪化する可能性もあります。開業直後から大半の社員が辞めていく企業に、多額の公金を投入することに固執する行政の責任は重大と言わなければなりません。