2005年4月30日


エコサイクルセンター 高知市議会厚生委に執行部報告 「民間キャパ充分、県の設定価格割高で赤字予想」 「運営赤字なら計画断念」とも 公明も見直しへシフト


     エコサイクルセンターについて執行部から報告を受けた4月27日の高知市議会厚生委

4月27日、高知市環境部は高知市議会厚生委員会に独自の調査結果を報告し、新たに日高村にエコサイクルセンターを巨費を投じて作る必要性を疑問視するデータを明らかにしました。報告は高知市内の処理量が大きく減少していること(平成14年度34・5万トンから15年度25・8万トン)、民間処理施設に充分な余裕があること、現在県外に出されている廃棄物も完結した処理ルートがすでに確立しているなど、新たに公費を投入して施設を整備する必要性を事実上否定する内容。県が設定している同センターの処理料金も民間業者と比較して割高であり、廃棄物が安定的に入ってくる可能性が低いことが、現在の民間業者の実際の料金を示しながら明らかにされました。

議論の焦点になっている同センターの運営赤字について、「廃棄物はまず確保できない。運営が赤字にならないのは無理ではないか(民主)」との指摘に答え、「廃棄物は安い所に流れる。今は廃棄物の取り合いという状況。安定的に廃棄物が確保できるのかという疑問を担保するため、県に再調査を求めた」(福留剛毅・市環境部長)。また「高知新聞が徳島県の民間業者に受入を拒否されたと書いていたが本当か(共産)」との問いには、「そうした事例はない」と否定しました。

また福留部長は「赤字であればやれないというのが市のスタンスだが、予想される事態は想像がつく」と赤字が不可避であることを示唆。「ただ県は赤字にならないと言っている。その根拠を9月までに予定している調査で導いてほしい」と県に投げかけました。しかし廃棄物が激減する中、県が市執行部・市議会を納得させるデータを示すことは実際には不可能であり、県が現計画を押し通すことは非常に困難な状況になりました。

委員からは「前の計画を引きずったままだから数字合わせになる。一旦白紙に(無所属)」、「できた頃にはまた状況が変わる。きちんと見直しを(公明)」、「施設の必要性がますます分からなくなった。白紙に近い再検討を要望(共産)」、「県の計画はいいかげんだ(自民)」などの意見が続出(新風クラブは見直しに直接言及せず)。これまで慎重な言い回しをしてきた公明党委員も「見直し」に言及するなど、時間の経過とともに「見直し・撤回論」は勢いを増し、すでに後戻りできないところへ。民主党委員の「赤字になると市が判断したら計画は断念するという解釈でいいのか」との問いに、部長が「そう受け取れる」と応じるなど「断念」にむけての議論が具体性を帯びてきています。

同委員会は、委員から県エコプロジェクト推進課の意見を直接聞きたい、県議会文化厚生委員会と合同で審議する機会がほしいなどという要望が出たため、県・県議会に求めていくと同時に、6月議会の委員会の組織改編の前に「凍結決議」のような明確な委員会とそしての意思表示をする動きが活発化しそうです。