土佐山田ゴルフ倶楽部 町への負担金5200万円をまたもや滞納 穴埋めは町民の税金
土佐山田ゴルフ倶楽部
土佐山田ゴルフ倶楽部(香美郡土佐山田町楠目)が、地元補償として土佐山田町に3月31日までに支払わなければならない負担金(※)の滞納を続けています。滞納額は合計5200万円にのぼり、歳入不足は町民の税金で穴埋めされています。同ゴルフ場を経営する土佐山田観光開発(株)の代表取締役は大旺建設副会長の中谷明氏の長男・中谷貞氏(中谷元代議士の従兄弟)と、鈴木利雄氏(大旺建設関連企業の役員を歴任した最高幹部)、取締役には高知新聞社長の岩井寿夫氏、依光隆夫・自民党県議なども。高知県のトップ企業と有力者が経営する会社のツケを町民にまわすことに批判の高まりは必至です。
昨年3月に町が同ゴルフ倶楽部との間に滞納を認める念書を密かに交わしていたことが発覚し、町民からは大旺建設や地域のボス的存在である依光県議が経営する特定企業を町が破格の優遇扱いすることに批判が集中。執行部は「返済してもらうため努力する」と繰り返しましたが、返済期限の3月31日を過ぎてもまたしても支払いはありませんでした。
滞納額は、平成12年から15年度分の滞納分約4200万円に16年度分の約1000万円を足した約5200万円。石川晴雄・町助役に話を聞くと(内容は後述)「5月末の出納閉鎖までに支払ってもらう」と回答。同ゴルフ倶楽部の支配人は「回答する必要はない。助役と話はついているので町に聞いてほしい」と開き直りました。
町と同ゴルフ倶楽部との間にどのような話がされているのか不明ですが、支払い期日の再延長についての町のコメントが微妙に変化していることからも、再延長を繰り返す(今度すれば3回目)可能性、滞納のごく一部だけを支払って大部分の支払い期限を先送りにする可能性なども考えられます。18年3月に土佐山田町は香美市に移行することになっており、この中で幹部が入れ替わり、責任があいまいにされる可能性も否定できません。これ以上、同ゴルフ倶楽部の無責任な滞納は許されません。親会社である大旺建設や経営陣が「不関知・不関与」を決め込むのではなく、きちんと社会的責任を果たすことが強く求められているのではないでしょうか。
■町助役とのやりとり
(3月29日)
=「もうすぐ期限だが返してもらえそうか」
助役「月末までまだ日がある。必ず払ってもらえると考えている」
=「支払い期限の再延長はするのか」
助役「それはしない。払ってもらう」
(4月1日)
=「期限がきたが、支払いはあったか
助役「収入役に入金があったかどうかはまだ確認していない」
(4月6日)
=「収入役が入金はないと言っているが」
助役「まだ入金されていない。出納閉鎖の5月末までに払ってもらう」
=「支払期限の延長はあるのか」
助役「今は考えていない」
=「この問題は香美市に引き継がれるのか」
助役「引き継がれる」
※ゴルフ場開設にともなう地元補償として地元土地改良区がほ場整備費用を農林漁業金融公庫に返済する金額に町が補助する2分の1を土佐山田観光開発が分割して(平成元年から33年まで)支払うもの。総支払額は約2億1000万円。これまでに(元年から11年)支払ったのが約5100万円。現在の滞納分は約5200万円で、平成33年までに支払わなければならない残債総額は約1億6000万円。滞納分は結果的に町が立て替えて金融機関に支払っている。