北川村議会 賛成少数で合併議案を否決 露骨な駆け込みと「飛び地」合併に審判
3月29日、安芸郡奈半利町、安田町、北川村が合併して「中芸町」をつくる議案を審議した北川村議会臨時議会は、合併議案を賛成少数で否決。年明けから極めてあわただしく3月末にむけて強引に駆け込もうとした「飛び地・新中芸町構想」は破綻しました。
北川村議会は定数10人。1人が病気で欠席しているためこの日の出席者は議長をのぞき8人で、当初の予想では賛成4、反対4の可否同数になるのではと思われていました。しかし3月25日に発表された住民アンケートの結果を受けて賛成議員が3人にとどまったため、合併議案が賛成少数で否決されました。
昨年7月、同3町村と田野町を加えた4町村での「中芸町」をめざす法定協議会から田野町が離脱し、合併構想は消滅したかに思われましたが、年末から年始にかけて田野町をのぞいた「飛び地」(田野町を通過しなければ安田町と奈半利町は実質的に行き来ができない)での「新中芸町」構想が県市町村合併支援室が前面に出た強力な牽引で再浮上します。
財政的にも地理的にも要になる田野町を欠いたままの新中芸町にむけた準備は遅れ込み、2月22日にやっと3町村の法定協議会が発足。わずか11日後の3月5日には町名、市役所の場所、議員定数などを確認しただけで、新町のまちづくりや財政計画も議論もほとんどされないままで「議論」を終結。合併特例債を借りることができる期限の3月末までに合併を議決することだけを唯一の目的に無理矢理すすめられようとしていました。このようなあまりにもいびつで露骨な駆け込み合併に、北川村住民はアンケートで「反対」の意思を明確に表明し、村議会内の力関係を変えて、駆け込みを阻止する結果につながりました。
合併反対派の住民は「北川村 町村合併を考える会」(知原利則代表)を結成し、7種類の全戸配付ビラを配布。「特例債に頼って借金を重ねるのではなく、村民と役場が力をあわせた住民力を発揮した村づくりを」と訴え、29日の臨時議会に村民アンケートの結果が正しく反映されるように村民に傍聴を呼びかけていました。
3月25日に発表された北川村のアンケート結果は以下の通り。「賛成」と「どちらかといえば賛成」の合計が510、「反対」と「どちらかといえば反対」の合計は575。中でも明確に「反対」の意思を表明した住民が457と最も多い結果となっていました。
賛成 | 369 |
どちらかといえば賛成 | 141 |
どちらかといえば反対 | 118 |
反対 | 457 |
分からない | 102 |
※回答者数1200、有効数1187、無効数13 3月1日現在の20歳以上の村民1335人にアンケート用紙を発送。