高知工科大学長問題 橋本知事が岡村現学長選任に同意
3月4日、高知工科大の理事長を務める橋本大二郎県知事は、同大学長選挙で選ばれた岡村甫現学長の次期学長への選任を「大学経営に危惧を覚える」と拒否していた方針を撤回しました。高知県議会本会議で自民党の西森潮三議員の質問に答えたもの。
急遽、同大問題に質問を差し替えた西森議員に「これまでの発言を撤回すべきだ」と水を向けられた橋本知事は、「開学当初と比べて県民との距離が遠くなっている。現状の体制のままできびしい競争の時代を生き抜いていけるのかという危惧を持つ。大学の現状を県民に考えてもらいたいという強い思いから、手続きの無理は承知で今回のような判断をした。県民に理解してもらいにくいことであり、大学のイメージダウンにもつながりかねない。理事長の任命権も形式的なものという法的見解もいただいたので、理事会の決定にしたがい現学長を次期学長に任命することにした」と述べました。
今回の一連の騒動の背景には旧態依然とした発想の特定理事とつながりの深い現学長の影響力を排除しようという橋本知事の狙いがあると言われていますが、県民の税金で建てた大学の経営を少人数の理事会が独占する「公設民営」方式の危さを露呈したものといえます。