2005年1月30日


県人権共闘が大崎県教育長と会談


         あいさつする窪田副議長

「人権と民主主義、教育と自治を守る県共闘会議(竹下芙佐雄代表)」は1月20日、県教育委員会と特別措置法終了後の「同和教育」のあり方、人権教育資料「つながり」の教科書無償闘争の記述について話合いました。

県庁内での会談には窪田充治・副議長、井上圭介事務局長、西村導郎事務局次長らが、県教委からは大崎博澄県教育長、藤本昌司・人権教育課長などが参加しました。

人権共闘が提起したのは@「同和教育」は特別対策であり行政方針上は存在しない、A県教委の「依然としてきびしい実態がある」という部落問題の認識の是正、B特措法終結後も「同和地区はある」とする認識の是正、C「つながり」の長浜の教科書無償闘争を部落解放運動に矮小化する記述の撤回など。以下は主なやりとり。

@県教委 人権教育との中のひとつのエリアとして同和教育は存在する。

A人権共闘 「差別事象」は一部の落書きや児童生徒の発言が大半で社会的にほとんど問題にならない。
 県教委 解消の方向に向かっているのは確かだが、平成14年の県民意識調査で結婚する時に相手が「同和地区」住民であるかどうかを意識する人が34・3%という実態がある。
 人権共闘 必ずしも差別ではない。「解同」の確認糾弾やヤミ融資事件への批判も含まれている。意識と実態は分けて考えるべき。遅れた意識が一部あったとしても差別的な行動をとるとは限らない。遅れた意識をゼロにすることはできない。もう何10年も「落書きと発言」ばかり言っている。そろそろ前に進むべき時ではないか。通常の人権感覚で部落問題は解決出来るところにきている。

 B県教委 地区内外を線引きした事業はやらないが、法律がなくなっても差別される地区や人がなくなるわけではない。同和地区という言葉を使う場合もある。
 人権共闘 「遅れた意識を持つ住民が差別するから」と県教委が後を追うのはおかしい。特措法が切れ「同和地区」住民扱いされるのを拒否している県民もいる。学校が勝手に「部落の子」扱いするのは人権侵害であり重大な問題だ。

 C人権共闘 長浜の教科書無償闘争の本質は幅広い住民が共同した憲法を暮らしに生かすたたかい。枝葉である部落問題を意図的に取り上げるべきではない。
 県教委 本質は憲法を暮らしに生かす運動という認識で一致している。同和地区関係者が運動の中核を担っており、部落解放運動と関係があったと証言する人もおり、断定を避けた記述にしていることを理解してもらいたい。

 県教委は地区内外に線引きした取り組みを改めて否定しつつも、「同和教育」や「同和地区」の存在を認める矛盾した側面も。この背景には「依然として差別は根深い」という実態のとらえ方があります。