2004年12月24日


高知競輪100万円札束すり替え事件 未だ指紋調査行われず 県警「人権」に配慮? 


 ニセ札束のモデルを示して質問する岡田市議

 2003年11月に高知競輪場で開かれた第19回全日本選抜競輪で100万円の札束がニセ札束にすり替えられ98万円が盗難された事件の捜査をしている警察当局が、事件発生から1年以上たっているにもかかわらず、犯人を特定するために重要な指紋照合を行っていないなど、まともな捜査が行われていない実態が明らかになりました。

 残されていたニセ札束は、茶色の紙片の両側を本物の1万円札でサンドイッチして帯封をかけたもので、周到に準備された計画的犯行でした。外部から現場に入ることは不可能であり、従事員による盗難としか考えられません。ニセ札束に残されている指紋と、事件当日現場に入ることができた従事員の指紋の照合は犯人特定のための有力な方法と思われますが、この初歩的な捜査が行われていないのはどうしたことでしょうか。

 12月15日の高知市議会本会議で岡田泰司市議の質問に対し、執行部は「警察より関係者の指紋提出に協力の依頼があった場合のために、提出協力ができますよう、従事員組合と協議し準備をいたしておりました」と答弁。警察から要請があれば指紋を提出するつもりだったが、求めがなかったため、照合が未だに行われていないことを明らかにしました。
 今年に入ってからも高知競輪と同じ従事員が働いている高知競馬で現金紛失事件が相次いでいます。警察当局がまともな捜査をしていないことが、犯人を増長させた可能性も考えられます。