2004年12月9日


高知市教委 初月小の過密回避へ一ツ橋小・小高坂小との「選択校区」も選択肢のひとつ 初月小PTAの申し入れに回答


  初月小PTAの申し入れに答える岡崎市長、吉川教育長

 吉川明男高知市教育長は12月9日、高知市立初月小学校の過大規模・過密回避のために、初月・一ツ橋・小高坂の3小学校を校区内で自由に選べる「選択校区」とすることも「選択肢の一つ」と述べました。同小PTA(大崎恭寿会長)の教育条件の改善への申し入れへの回答の中での発言。

 初月小は2004年11月現在で生徒数973人、31学級の大規模校にもかかわらず、敷地が非常に狭いため(約12000平方メートル)、県内一の過密状態になっています。この日は同小PTAの役員が2432筆の署名を岡崎誠也市長、吉川教育長に提出し、早急な解決を求めました。

 岡崎市長は「状態は承知している。チャンスあれば土地を買いたいという思いはあるが、地権者の意向もありハード的には今は手詰まり。空いている教育資源である一ツ橋小などをソフトで活用できないか」、吉川教育長は「校区変更は大変難しいが、初月・一ツ橋・小高坂の3校を自由に選べる『選択校区』は選択肢のひとつ」と述べました。

 これまで同市教委は「将来は児童が減るので事態を見守りたい」と事実上放置する方針を取ってきましたが、9月市議会の秦愛議員(日本共産党)の質問に、「児童推計にアンバランスがあった」(吉川教育長)とこれまでの立場を修正する答弁をしていました。今回の発言は、現状では放置できないという認識を示したと言え、「見守る」というこれまでの立場からは一歩前進ですが、実際には「自由選択」の効果は不透明。逆に初月小への希望が増える恐れすらあり、事態の本質的な解決にはまだまだ遠いのが現状です。

 この日の申し入れには秦愛(共産)、戸田二郎(自民)、小崎千鶴子(公明)の各市議が同席しました。