2004年11月16日



高知競輪 98万円盗難されながら1年間報告なし ずさんすぎる金銭管理 内部犯の可能性大にもかかわらず犯人は依然不明


            このような形でニセ札束が挟み込まれていた(再現モデル)

 2003年11月21日から24日にかけて高知競輪場で開かれた第19回全日本選抜競輪の2日目、1階の投票所の券売・払い戻し機に入れるための100万円の札束が、模造したニセ札束にすり替えられて98万円が盗難される事件が発生していたことが明らかになりました。11月16日の高知市議会産業文教委員会で執行部が明らかにしたもので、経営悪化で競輪競馬の廃止論が高まる中、度重なるずさんな金銭管理の実態が露呈したことは波紋を広げそうです。

 すり替えられていたニセ札束は、茶色の紙片の両側を本物の1万円札でサンドイッチして帯封をかけたもの。周到に準備された手の込んだ計画的犯行でした。状況をみれば外部の犯行である可能性は皆無で、内部の人間による盗難としか考えられません。今年7月には高知競馬の場外馬券売り場でも現金48万円が不明になる事件が発生していますが(高知競馬と高知競輪の従事員は同じ※)、「事故金」として内部処理されていました。高知競輪側は警察に被害届けを出していますが、1年たった今も本格的な捜査が行われた様子はありません。事件が明らかになったきっかけは内部告発を受けた議員による競馬組合議会での指摘。告発がなければ表沙汰になることはありませんでした。

 ※投票所(投票券の販売や支払いをする部屋)で働いている従事員は全員高知競輪競馬労働組合(自治労)に加入しているが、同組合は部落解放同盟の影響力が極めて強い。「解同」の威光をバックにした交渉によって高額な賃金、退職金、有給の同和研修らがまかり通り、「解同」系団体が警備や清掃などの業務を高額な随意契約で受注する「お手盛り」体質が競輪競馬の経営圧迫の要因となってきた。